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文庫旅館で待つ本は

朝から花冷えの気温に、調子が悪かった私ですが、夫の勧めもあってジムに行き、昼食後視聴中の韓国ドラマを見たら、少し気持ちが楽になりました。

皆さん、お変わりありませんか?

今日は久しぶりに本の紹介です。思いがけず手に取った作品でしたが、とても心地よい作品です。


読み終えた本

2023年12月18日に筑摩書房から、書き下ろしの256ページのソフトカバー単行本として発売されています。

あらすじ

戦前から続く小さな旅館・凧屋の別名は文庫旅館。名物の図書スペース「海老澤文庫」には、今は名前しかわからないかつての常連・海老澤氏が寄贈した膨大な蔵書が揃い、若女将の丹家円(たんげ・まどか)があなた向けの一冊をそのなかからおすすめしてくれることもある。お客様と同じにおいがする=宿泊者にいま必要な物語が不思議とわかる円だが、自分自身はその「利きすぎる」嗅覚ゆえに小説が全く読めないという。夫や家庭に縛られてきた妻、同性の幼馴染に隠した想いを寄せる青年、妹の遺した子を育てる姉。訪れる人々の人生と文豪たちの作品が交錯し、道が開けていくその向こうで、海老澤文庫の、そして円自身にかかわる秘密も明かされていく――。

Amazon内容紹介

感想

最初にも書きましたが、図書館の蔵書となるまで、作品名はもちろん、著者の方の名前さえ知りませんでした。

しかし文庫旅館という珍しい題名に誘われて、読み始めたら意外や意外、次々と出てくる古典たちと、旅館に宿泊する現代に生きる人たちとの悩みがリンクする面白さに引き込まれました。

本編に出てくる文豪は、まさに多くの教科書に登場する5人と、今では記憶もはっきりしないけれど、誰もがきっと名前だけは聞いたことのある5作品が登場します。

川端康成『むすめごころ』横光利一『春は馬車に乗って』志賀直哉『小僧の神様』芥川龍之介『藪の中』夏目漱石『こころ』

とくに最後の「こころ」は太平洋戦争の爪痕と、時代を生きるための苦悩が「こころ」という文庫作品とリンクした内容に、思わず胸が締め付けられ、涙がこぼれました。

最近では、次々と出版される新刊に目が向きがちで、古典と呼ばれるようになった作品を再読する機会がなくなっています。
そんな自分への自戒も込めて、実家に買いためた文学全集を改めて読み直したい気持ちが湧いてきました。

Amazonから画像を拝借、
読み終えて、表紙も作品にぴったりだと思いました。

いつも最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
未だ安定しない気候に、どうか皆様もご自愛ください。

#シニア #いなか暮らし #今日のつぶやき #名取佐和子 #筑摩書房 #読書感想文 #読書好きと繋がりたい #毎日note #連続投稿526日目

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