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伊坂幸太郎氏が描くパラレルワールド

伊坂幸太郎氏の書き下ろし長編小説を読み終えました。

製菓会社に寄せられた一本のクレーム電話。広報部員・岸はその事後対応をすればよい…はずだった。訪ねてきた男の存在によって、岸の日常は思いもよらない事態へと一気に加速していく。不可思議な感覚、人々の集まる広場、巨獣、投げる矢、動かない鳥。打ち勝つべき現実とは、いったい何か。巧みな仕掛けと、エンターテインメントの王道を貫いたストーリー(「BOOK」データベースより)


主人公は、製菓会社の会社員、その製菓会社の商品にクレームをつけた妻の配偶者である政治家、その製菓会社の商品が好きといった人気芸能人の3人。

この物語を面白くしているのは、3人が現実社会だけでなく、夢の中でも出会い、その夢の中での共闘の勝敗が現実社会での勝敗にも影響を及ぼしているという、パラレルワールドストーリーである点です。

タイトルのクジラアタマの王様とは、「ハシビロコウ」のラテン語の呼び名ですが、この物語の夢先案内役になっています。

さらに川口澄子さんによって描かれる夢の中の出来事のイラストが、ベストな場面で挿入されていて、面白さの相乗効果を生んでいます。(あとがきにも書かれていますが、伊坂氏の10年来の小説にアクションシーンをコミックで表現、挟み込みたいという願望が叶ったものだそうです)

一風変わったパラレルワールドストーリーですが、展開がスピーディーなので、さくっと読むことができました。

とにかく難しいことは考えず、手にとって読み始めてみてください。

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