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乳がん術後のリハビリで最も大切なこと

福岡市で乳がん、婦人科がん術後、リンパ浮腫ケアを専門にサロンをしている理学療法士のさあらです。

乳がん術後のリハビリって「腕が挙がらない」「リハビリを頑張らないと」「腕を上げるリハビリをしないと固まっちゃう」などすごく「腕が挙げる」ことを意識していることって多いですよね。

医療者でも病棟で「リハビリしないと腕が上がらなくなっちゃいますよ」と話す人もいると思います。

だから壁を這うように腕を上げる練習をがんばったり、肩回しをうんとやったり。よくわからないけど腕をさすってみたり。

そうやってがんばっている人たくさんいると思うんです。

でも私は乳がんを専門にしている理学療法士として、声を大にして言いたい。腕が上がるか、痛みが大きいか少ないか、スムーズにいくかどうか。それはただただ、本当にただただ。

「傷の状態」

によるんです。もっと言うと、傷の位置とデザインです。

乳がん術後まず見る場所は傷の状態

最初に見るのは傷です。何よりも傷の位置。そして他動的に(セラピストが腕を持って患者さんは力を抜いた状態で)腕を軽く横に開いたり、上へ上げたりして確認します。この時、この腕の動きに対して傷とその周囲の皮膚がどの程度引っ張られるか、影響を受けるかを見るんです。

もちろん、この動作による確認の前に、「炎症を起こしている」「傷がじゅくじゅくしている」「ドレーンの廃液が多い」という方は、より慎重にこの動作確認をしていきます。もし腕の動きと一緒に皮膚が引っ張られる範囲が広い、傷が巻き込まれるなど影響を受けやすい位置にある場合で、炎症などが強い場合は、リハビリの開始時期を傷が落ち着いてからにずらします。

炎症がなく傷の状態が良い場合は、その影響度合いに応じてまずは傷のケアの方法からお伝えしていきます。傷の影響を受けやすいのは、全摘だから、部分切除だから、ということは全く関係ありません。

傷の影響を受けやすいかは全摘・部分切除だからは関係ない

どんなに大きな傷であっても縦に一直線で、腕を動かしても全く傷が動かず影響を受けない方もいます。またどんなに小さな傷でも、脇の下や胸の外側などのほんの少しのカーブが、腕を動かした際に一緒に動いてしまう場合、
引きつれて痛みを感じやすい場合もあります。さらに言うと小さな傷であっても、手術の際リンパ節を取る時に脇の下に近い位置に機材を入れて色々と作業をしたような場合、どうしても神経を触らずに作業できない場合もあります。

繰り返しますが、全摘だから痛みが強いということもなく、部分切除だから楽だということは関係ありません。あなたの胸の傷がどの位置にあり、そのデザインが腕の動きに対して一緒に動いていくかどうか。が最も大切なポイントになるんです。 

ですから、術後主治医の先生の許可が出たら最初にしていくのは、腕を上げる練習ではなく、「傷のケア」なんです。そしてその傷のケアがしっかりできると、腕を上げる練習は正直さほどしなくても上がっていきます。

文章だとその状態をお伝えするのがなかなか難しいのですが、、。
インスタで動画でご紹介していますのでよかったら見てくださいね。 

少しでも多くの方が適切なケアができますように。 


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さあらさん@リンパ浮腫専門理学療法士 福岡(@lymphedema.fukuoka) • Instagram写真と動画

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