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【言語化する力】【読書】コンサル利用で損しないための本「いたいコンサル すごいコンサル」

・だいたいコンサルなんて、紙だけ作ってなにもしない奴らだろ!

・コンサルに仕事を頼んだけど、金だけ喰って何してるかわからない。。

コンサルを使った人の中には、コンサルに対してネガティブなイメージを持っている方は複数いらっしゃると思います。

一方で、コンサルを何度も使ってくださるクライアントもいます。

使ったことがある方でもコンサルに対する意見が割れるのは、おそらく利用時の成功・失敗経験に基づくものと思います。成功したらまた頼むし、失敗したら二度と頼むか!ってなるわけです。

では、コンサルを雇う前の打ち合わせ段階で、プロジェクトを成功に導いてくれる優秀なコンサルを雇えればいいなって思いませんか?

そりゃそうだけど、そんなの見分けられなくない???

そう思われたそこのあなた!

あるんです!見分ける方法が!

優秀なコンサルを見分ける方法は、本書、「いたいコンサル すごいコンサル〜究極の参謀を見抜く「10の質問」〜」に書かれています。

著者の長谷部智也さんは戦略コンサル界のトップ3の一角を担うベイン&カンパニーを含め、複数の外資コンサルを渡り歩き、一時は事業会社に転職してマスターカードの日本支部の上席副社長にまで上りつめ、現在はあのアクセンチュアのマネジングディレクターにまでなった人です。

そんな超ハイスペックな長谷部さんは本書において、現在のコンサルティング業界は「大衆化」し、有象無象の集団となってしまった、コンサルタント個々の能力、スキルに「個体差」が大きい時代になったと言っています。

一方で、腕が確かな「本物」のコンサルを賢く起用すれば、財務的な成果を出す上で大きな助けになるとも書いています。

これらをベースさん的に噛み砕いて言ってしまうと、利用する側も注意してコンサルを選びましょうということです。

本書では、事業会社・コンサル業界両方を経験した長谷部さんだからこそわかる、いたいコンサル、すごいコンサルを見抜く「10の質問」が書かれています。

10の質問全て納得の内容でしたが、今回はベースさん的なポイントを3つに絞ってお伝えします。

コンサルを利用する方は「いいコンサル」を見分けるために、現役コンサルタントの方は「いたいコンサル」にならないために、本書を一読することをお勧めします。


◼️ベースさん的ポイント1:「今回お願いするプロジェクトの最終提言の仮説は?」

いきなりですが、本書の趣旨は、「コンサルを雇う前にいいコンサルを見分ける」です。

つまり、「今回お願いするプロジェクトの最終提言の仮説は?」というこの質問、クライアントがコンサルに「まずは話を聞いてください」といって設定した第一回目の打ち合わせです。

コンサル側としてはほぼ準備なくその場で依頼内容を聞かされ、いきなり「最終提言の仮説は?」と聞かれるわけです。

いやいや、いくらなんでもそりゃ答えられないだろ!

と思われたそこのあなた!

いいコンサルは準備時間0でも、最終仮説をその場で答えてしまいます。

これは、コンサルタントとしての経験を問う質問です。過去のプロジェクトでの経験をもとに、プロジェクト開始前から「7割方正解」を難なく書けるのが真のプロフェッショナルです。

長谷部さんは、コンサルタントにA4判の紙1枚に仮説をまとめてもらうと書いています。これにより、本質を見極める力を見つつ、コンサルタントが暗黙知を含めた業界の事情をわかっているか?を確認できるからです。


◼️ベースさん的ポイント2:わが社の「意思決定プロセスの特徴」は?

これは、組織の空気感がわかるかを判断する質問です

ご自身の会社を思い浮かべてください。「何かを提案するとき、あの人とあの人は合意を取っておくと話がスムーズにいくだろうな。」と思うことがありませんか?

本書は「KYなコンサルは使えない」と、社内力学を推しはかれない人をバッサリ切り捨てています。

コンサルが作った戦略は実行される必要があります。このとき、社内力学を推しはかり、適切なタイミングで適切な人物に提案できるよう動くのも、いいコンサルの条件だからです。


◼️ベースさん的ポイント3:現在のわが社の戦略で誤っている点、見逃してる点は?

クライアントに言いにくいことも直言できるか?を見る質問です。

コンサルタントはクライアントからお金をもらいながら仕事をしています。当然、相手の機嫌を損ねるような意見は言いたくありません。

そんな中、相手の間違いを指摘するのはとてもしんどいことです。

しかし、いいコンサルは間違いをしっかり指摘してくれます。

そもそもコンサルティングの価値は事実と分析に基づいた正しい提言を行える青臭さです。逆にいうと、正しい提言をせず、クライアントに都合のいいことだけ言うコンサルタントは、仕事をしていないのと同じです。


◼️まとめ

本書の中はこんな言葉が出てきます。

「コンサルタントは紙1枚で企業を誤った方向に導くことができてしまう」

「導いてしまう」ではなく、「導いくことができてしまう」という表現がポイントだなと思います。「仕事に向かう姿勢一つひとつの積み重ねで、クライアントを誤った方向に導くのは、“うっかり“ではなく“わざと“に等しい」という厳しい意思が込められているように感じます。

ベースさんも常日頃から意識しているところですが、本書を読んで改めて身の引き締まる思いでした。コンサルタントの方もぜひご一読いただければと思います。

また、コンサルを雇う側の方、このような意思を強く持ったコンサルタントを雇えるよう、本書をお手に取ってみてはいかがでしょうか。


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