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【まとめ】少年野球の問題は哀しい大人たちの問題だ(4)

 わが子の活躍に一喜一憂し、のめり込んでしまう親の多くはレギュラーの子の親だ。

 指導者の中にはそうした心理に漬け込んで「さあ、次の大会はどちらを4番にしようかな」などと飲み会の席で父親たちをけしかけてその反応を楽しむような人もいる。
 指導者に取り入りたい親と、自分の優位性を誇示したい指導者は、結果的にWinWinな関係を築き、「なんとなくスルーされてきた悪」の伝統をしっかりと支えてきた。

 ではその他の親はどうか。
 レギュラーであろうとなかろうと、チームと必要最低限の関わりしか持たない親も当然いる。野球に興味がない親や休日も多忙な親たちだ。彼らはチームへの協力もできない代わりに口出しもしないというスタンスで、図らずも「なんとなくスルーされてきた悪」を放置する役割を担っている。

 では理不尽な扱いを受けている子の親はどうか。
 わが子が何ヶ月も試合に出してもらえなかったり、明らかに他の子より酷い叱られ方をするような子の親こそ改革を訴えるべき存在のはずだ。
 にもかかわらず、こうした親たちも結局目立った行動を起こさないことがほとんどだ。
 中には耐えかねてチームを移籍する場合もあるが、「これからもどこかで会うかもしれない」と保身を優先して静かに去ってしまう。そうした一見「大人の対応」が次の犠牲者を生むと分かっていても自分が矢面にたつ勇気がない。出る杭は打たれるとばかりに、たがか少年野球の現場でさえ物申すことができない。

 つまりレギュラーの親だけでなく、チームとの関わりが少ない親、不満を抱えた親も含めてほとんどの親が結果的に指導者たちの身勝手な快楽主義を容認し、支えてきてしまったのだ。 

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