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謝罪メール(1)

 日頃より大変お世話になっております。Aチーム6年生、國分翼の母です。
 このたびの「豚丼問題」では、チーム関係者の皆様、OB選手とそのご家族に多大なるご迷惑をおかけしましたことを心よりお詫び申し上げます。
 先日の幹部会議でこの問題の経緯を説明させていただきましたが、その際に改めて様々なご指摘をいただき、私たち「南野ブルースターズ」にとってカツ丼がとても大きな意味を持っていたことを再認識いたしました。
 先日のOB紅白戦に参加された皆様だけでなく、多くのチーム関係者を巻き込んだ議論に発展してしまった中で、私たち40期全体に対する様々なご意見も頂戴しているようです。改めて「OB紅白戦」係のリーダーとして経緯のご説明と謝罪をさせていただくため、低学年チームの皆様も含むチーム全体メールに送らせていただきます。

 まず「OB紅白戦」についてご存じない保護者の皆様に簡単にご説明いたします。
 「OB紅白戦」は、南野ブルースターズを卒団した中学生・高校生のOB選手とそのご家族をお招きし、幹部の皆様や監督・コーチの皆様と旧交を温める大事な会です。具体的には8月の土曜夕方から、ナイター設備のあるグラウンドでOB選手が紅白戦を行います。参加者には「カツ丼」が配られ、同時に懇親会も行われます。費用はすべてチームが負担し、Aチーム6年生はグラウンド整備やボールボーイなど試合のお手伝いと応援をします。準備や運営は6年生母の係が行います。

 毎年恒例だったこの「OB紅白戦」ですが、コロナ過によって3年間中止となっておりました。4年ぶりの開催となった今年、係にとっては過去の資料がほとんどない中で手探りの開催となってしまったこと、また久しぶりの開催で多くのOBにお声がけしたところ、過去最高の312名が参加する大規模な会になったことが、今回の問題に少なからず影響してしまいました。言い訳に聞こえるかもしれませんが、まずはそうした点をご理解いただきたく思っております。

 伝統では参加者全員にカツ丼をお配りすることになっていますが、これまでお願いしていた「弁当ふじかわ」が昨年閉店し、チェーン店にお願いすることになりました。しかし一店舗で300個以上ものカツ丼は作れないとのことで、少し遠い数件の店舗からも配達してもらうことになりました。それにより作ってから食べるまでの時間が長くなってしまうこと、カツ丼はゆるい卵とじの料理であること、真夏の夜に外で保管すること等、食中毒を心配する声が保護者からあがりました。
 もちろん、OB紅白戦でカツ丼をお配りするのは、野球を続けているOBや6年生にとっては「試合に勝つ」という験担ぎであり、受験を控えた中学3年生と高校3年生にとっては「受験に勝つ」という験担ぎ、そしてチームからのエールであることは承知しておりました。そこで店側に「卵にはしっかり火を通して欲しい」とお願いしたのですが、「確約できない」との返答でした。
 また、卵の価格高騰や昨今の物価上昇でカツ丼の値段が上がってしまい、予算的にも厳しいことが分かりました。そこでやむなくカツ丼から「豚丼」に変更した次第です。

 変更につきましてはチーム幹部の皆様にも事前にご了承いただき、「OB紅白戦のご案内」のメール本文でもOBの皆様、関係者の皆様にお知らせいたしました。

 その際「カツ丼であることに意味がある」というご指摘をいただき、改めて係一同で卵を使わない「カツサンド」にしてはどうかなど色々検討したのですが、やはり腹持ちが良いのは米だということで豚丼になりました。ちなみに牛丼にしなかったのは、せめて豚肉つながりにしたかったからです。

 このような経緯の中で、当日予想外のことがありました。豚丼を参加者全員に配り終えた夜7時過ぎに、「東坂シャークス」の監督、コーチ、顧問の皆様6名がグラウンドにご挨拶に来てくださったのです。ご存じの通りシャークスさんは、かつて合同チームとして一緒に戦ったこともある関係の深いチームです。私は幹部の方からすぐに豚丼を6個追加で買ってくるよう指示を受けました。
 私はリーダーとしてその場を離れられなかったので、他の保護者が車で買いに行ってくれました。ところがその時間は店がとても混んでいて、その場で豚丼を6個作ってもらうには20分待たなければならず、陳列してあったカツ丼6個ならすぐに買えるとのことでした。最終的に私の判断でカツ丼を買うようお願いしました。

 結果として、現在Aチームにとって一番のライバルであるシャークスの関係者がカツ丼を食べ、私たちブルースターズが豚丼を食べることとなり、験担ぎの「勝つ」を、ライバルチームに譲ってしまった形となりました。そして先日、Aチームが準決勝でシャークスに惜敗したことも重なり、現在のような大きな議論にまで発展してしまいました。

 上述の経緯を振り返りますと、今回の責任はすべて「OB紅白戦」係のリーダーである私にあることは明らかです。40期の選手とその保護者がOBの皆様をリスペクトしていないなどということは一切なく、チームの伝統をないがしろにしてカツ丼を豚丼に変更したわけでもないということだけは、是非ご理解いただけたらと思います。そして、私の認識の甘さにより受験生の皆様にも不安な思いをさせてしまい、本当に申し訳なく思っております。改めて関係者の皆様に心よりお詫び申し上げます。

Aチーム「OB紅白戦」係リーダー   國分幸恵


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