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★【選手育成】トレーニング年間計画の流れ

選手個々に体力強化を進めるトレーニングは、年間通して同じことをするのではなく、時期によりトレーニングの目的とそれによる実行計画が変わってくるので、新チームスタート段階で年間計画を立てそのスケジュールに大筋沿って進めていきます。

トレーニングは単調になりがちで選手が慣れて飽きてくる(手の抜きどころを覚える)ので、同じものを毎回行うのではなく少しづつ変化をもたせて飽きない工夫があると良いです。
また、年間計画は進捗により数ヶ月に一度くらい見直しすると、実態に沿ったトレーニング計画で進めることができます。


時期によるトレーニングの違い

チームの年間計画から、一番大切な時期(夏の大会)に最大パフォーマンスが発揮できるよに、体のコンディションを整えトレーニングの効果を最大化するよう計画します。

10~1月 (秋の大会終了〜冬)

「野球の技術力向上」でなく「基礎体力の向上」をメインにトレーニングを計画します。 ⇒ 筋肥大

● 秋の大会が終了したら、以降練習試合があっても基本的にはオフシーズンモードに入る。トレーニングに入る前に、メディカルチェック・フィジカルテストで選手の現状を把握する。
● 筋線維を太く強くするため、反復できる回数を
       数セット繰り返すトレーニング(30回×3セット 等)。
少し軽いくらいの負荷でトレーニングを始めて、できるようになったら少しずつ負荷を強めていく。(軽すぎる負荷は効果が出ない、重すぎる負荷はケガのリスクが伴う)
● 下半身強化の種目(スクワット・パワークリーン・デッドリフト…)
       を多めにし、パワーを生み出すもととなる筋肉量を増やす。

2~3月 (冬~春)

トレーニングの負荷をさらに強め筋肉をより大きくしながら、徐々に野球の動作に近い動きを入れるトレーニングを計画します。 ⇒ 筋力向上

● トレーニングに慣れてきたら、さらに負荷を強くする。重量が上がらないときにサポート(補助者)が必要なくらい限界まで取り組んで構わない。
● 少しずつ野球の専門的な動作に近いトレーニングを取り入れる。
  (例 捕球動作に似たフロントランジやサイドランジ、
     投球動作に似たプルオーバー、
     打撃動作に似たメディシンボールを使ったサイドスロー )

4~5月 (春 シーズン前半)

実践練習が増えトレーニングの時間が減るが、負荷を増やし またスピードを加え試合で生かせる筋肉を作る ⇒ パワー向上

● 実践練習が多くなりトレーニングにかける時間も短めになるが、冬から行なってきたトレーニングを継続すると、体の変化も見込める。
● 負荷(重量)を強くしそこにスピードを加えたトレーニングを行なう。(パワークリーン・スナッチ 等、重いものを素早く持ち上げる)試合で言行かせる筋肉を作る。

6月 (夏前 シーズン中盤)

追い込み時期となり実践練習が増えるため、トレーニングは”維持”しコンディションの確認・7月までの回復を目指す ⇒ 維持

● 夏の大会までの実践練習が多くなる”追い込み時期”になるため、トレーニングがここまで行なってきたトレーニングでできた筋力を維持することを意識する。(落ちないよう、食事・睡眠の重要性)
● 今一度体力測定を行ない、ストレングス・コンディションが落ちていないか?確認する。問題があるようであれば、夏の大会まで(7月まで)にコンディションを戻すよう調整する。

7・8月 (夏シーズン後半)

大会時期なのでトレーニングは”維持”し、高いパフォーマンスを発揮できるように保つ ⇒ 維持

● 大会近くになると調整となる実践練習が増えてくるが、トレーニングを落とすとここまで作ってきた筋力が大会で生かせなきため、維持することを意識する。(量を落としても、質は落とさない)高いパフォーマンスを発揮できるよう、試合10日前くらいにピーク(一番良いプレーができるコンディションの状態)になるように調整する。
● コンディションに問題がある選手は、とにかく回復を最優先する。

8~9月 (夏~秋 シーズン終盤)

すぐに秋の大会なのでトレーニングは”維持”し、高いパフォーマンスを発揮できるように保つ ⇒ 維持

● すぐに始まる秋の大会に向け個人力よりも「チーム作り」を最優先する。ここまで作ってきた筋力は維持することを意識する。(量を落としても、質は落とさない)高いパフォーマンスを発揮できるよう、試合10日前くらいにピーク(一番良いプレーができるコンディションの状態)になるように調整する。
● コンディションに問題がある選手は、とにかく回復を最優先する。

学年による重点ポイントの違い

このトレーニング計画は、学年によっても力点が変わってきます。

1年生 ⇒ チーム戦術を徹底的に覚える

チームとして行なうことをまずは理解することに力点を置きます。特に戦術に関わることは攻撃・守備に関わらず実戦で動けるように徹底的に頭に入れていきます。

2・3年生 ⇒ チーム戦術を実戦で出来るよう訓練する

1年生のときに頭に入れたチーム戦術を試合で出来るように訓練をすることに力点を置きます。
 ● ”頭で理解する” から ”体が自然に動く” ところにまで持っていく。
 ● (戦術をスムーズに行なうための)
               個々のフィジカル・テクニックを高める。


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