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★【走塁】走力を上げる

「足を速くする」には

足の速さは、努力である程度伸ばすことができます

「足が速い」ということは野球では大きな武器になりますが、足の速さはある程度”持って生まれたもの”になります(瞬発的に体を動かす「速筋」と、持久的に体を動かす「遅筋」の割合には個人差があり、生まれ持ったものが大きく変わることはない)。また、トレーニングで急激に伸びるものでもありません。

しかし、(持って生まれたものはあっても)努力を継続し今より速く走ることは可能です。その方法は
● 「速筋」を鍛える
● 「正しい走り方」を覚える
● 「体の柔軟性」を高める
ことになります。


「正しい走り方」(走る姿勢)を覚える

速く走るために必要なのは、 “平均的な速い走り方” を踏まえた上での “個々人にあった走り方” になります。高校生の場合は、まず平均的な速い走り方を覚えることに注力して取り組みます。

平均的な速い走り方のコツは、
● 地面からの反動を受ける「体の軸をつくる」「足のバネを使う」
● 地面からの反動を進む力に変える足の動かし方を覚える

となります。ポンポンと弾むように走ることができるようになります。

地面からの反動を受ける「体の軸をつくる」「足のバネを使う」

着地のときに地面に強い力を加えると地面から跳ね返ってくる力を得ることができ、その力が地面を強く”踏み込む力”に変わり”走る力”となります。この力を有効に利用する走り方が、良い走り方となります。

≪まっすぐな姿勢を作る≫

まっすぐな姿勢で、地面からの力を受け取る

まっすぐな姿勢で走ることで、体は地面からの力をより強く受け取ることができます。
まっすぐに立つと”靴の上に腰””腰の上に肩””肩の上に頭”が乗っかっているような状態になります。この姿勢は、安定しバランスが取れ足裏に効率よく力を伝えることができる姿勢です。また、地面からの力をしっかりと受けとめられる姿勢でもあります。これが「体の軸づくり」の基本になります。
その状態で(地面を蹴ろうとせず)その場で軽く両足ジャンプする動きをすると、体の軸を意識しながら”足のバネに乗る感覚”をつかむことができます。
(両足ジャンプ)
● ケガがないよう、事前に十分アップ・ストレッチを行なう。
● 「なわとびのときのジャンプ」のような感じでジャンプする。
● まっすぐな姿勢を保ち、できる限り地面についている時間を短くする。
● かかとが地面につかないよう注意する。

走るときは、人間が本来持っている足の筋肉がバネのような力を発揮することで軽やかに速く走れます。地面を蹴ってしまうと、(走っている感覚は強くなるが)このバネを有効活用できなくなってしまいます。 

≪頭を下げ過ぎない≫

地面を見ながら走ると、頭が下がりがちになってしまう

地面からの反動を利用しまっすぐな姿勢で走るためには「頭を下げ過ぎない」ことも重要です。
早く走ろうとすると、頭が出そうと前に出し地面を見ながら低い姿勢で走ってしまいがちですが、この姿勢だと背中が丸まってしまうので注意が必要です。例えば、盗塁のときは「先のベースを見る」「途中で捕手のほうを見て、動きを確認する」くらいがちょうど良いです。

≪踏み込む位置は体の真下≫
強く地面を踏みこむには、体の真下に足を下ろすことがポイントになります。踏み込んだ力を体の軸で100%受け止めることができます。

地面からの反動を前に進む力に変える「足の動かし方を覚える」

地面からの反動でジャンプする力を前への推進力に変えるポイントは、「前の足が着地すると同時に後ろの足を前に運ぶ動き」です。高く跳ぶ必要はありません。
後ろ足は、”足(靴)を前に動かす”というよりも”膝を前に運ぶ”というイメージで考えます。地面からの反動をこの動きに変えることで、スムーズに前への推進力に変えることができます。
走り方の練習をする際は、
      足が着地したら、逆側の膝を前に素早く送り出す
ことを意識することを選手全員に徹底してもらうようにします。

「体の柔軟性」を高める

柔軟性を高めることで、股関節と肩甲骨の可動範囲を広げることが重要になります。

股関節の柔軟性を高め可動範囲が広くなることは、(特に前側の股関節の動きが良くなることで)足が高く上がるようになります。
肩甲骨の柔軟性を高め可動範囲が広くなることは、進行方向にまっすぐに大きく腕を振り推進力が働き、ストライドが長くなり走りが伸びてくるようになります。

走力を上げる方法 

坂道ダッシュ

坂道ダッシュは通常の平地で行なうダッシュと違い、ある程度傾斜のある坂道を「登って」いくダッシュになります。
(坂道を「登る時」と「下る時」に鍛えられるものはまったく別で、野球の場合「登る」ことで大きな効果を生み出すので、ダッシュは登りのときに行なう。下りは体にブレーキをかける筋肉を鍛えてしまう。)

坂道ダッシュのメリットは、

【きれいな前傾姿勢が身につく】
坂道の場合、前に進むためやや前傾姿勢が必要です。このとき、きれいな前傾姿勢が取れなければバランスが悪くなり倒れてしまうこともあります。
坂道ダッシュを行なうと、きれいな前傾姿勢を自然と身につけることができます。「きれいな前傾姿勢」とは、頭を前に出すのではなく背筋を伸ばして骨盤を起点に作った前傾姿勢です。
地面を蹴る力が強くなり、効率の良い体の使い方ができます。

【スムーズに体重移動できるようになる】
傾斜での体重移動は平地よりも筋肉に負荷がかかるので、その負荷をしっかりと意識することで平地に戻ったときに動きがスムーズになります。

中距離ダッシュ

中距離でのダッシュ(ポール間走のような塁間以上の距離)は、「なるべく速いスピードで走ること」と「体力を保つ(疲れないようにする)こと」を両立させて走る必要があるため、最も体を効率よく使う走り方を身につける練習になります。
(短距離はフォームを気にせず全力疾走になる、長距離走は全力疾走をせず自分のペースで走るようになる)


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