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私がしていたのはコーチコンサルタントだった話

前書き

前回記事を改めて推敲していると気づいた点がありましたので記事にします。アスリートメンタルヘルスを考えていたときに思うコーチングフィロソフィーについて私なりの意見を書いてきましたが、どうしてこういった目線になるのか、というところを改めて熟考したいと思います。

前回記事

コーチとしての外回り活動

思い返すと私のスケジュールは実に分刻みで、お世話になっている各チームやスクール、バスケ教室を巡るという活動になっています。
私自身は、毎日違う現場に出向いては私ができる最高の指導を行うことに注力していますが、ここで度外視できないポイントが存在します。

チーム状況、選手の状況、コーチングスタッフの状況などは勤務のたびに変化をしているということです。
1週間のうちに各団体に1回参加している現状の裏側には「私がいないで行われている活動」が存在します。

コーチの目線〜連続した指導と単発の指導〜
コーチとして集団をコーチングしていると連続した流れの中で行われる指導とある意味処方箋的な、そういった連続した活動や指導の中で補強したい部分へのアプローチと視点が確実に異なる要素が存在するかと思います。

これは、コーチングスタッフサイドも同じです。チームの中で一定の人間関係や一定の価値観で繰り返される指導も、違った視点や感覚を取り入れることでそのパフォーマンスを向上させられるのです。もちろん、選手のこう着状態を打開するために合同練習を組むことがあります。本来であれば、これも同じような意図があるのです。

コンサルといっても・・・

コンサルタントと格好をつけて言っていますが、実際には指導結果の分析とチームに対する処方箋やその改善策までの一意見の提案、あとはコーチングスタッフの相談を受けたり、全体的なコーチングで溢れそうな部分へのアプローチといった内容になるのですが、チームを発展させるために必要なことを行うといった内容になります。
アシスタントコーチの領域です。そして、決して踏み込まないようにしているのが、ヘッドコーチのやりたいことを阻害するような行為や指導は絶対に行ってはいけません。

ただし、ヘッドコーチがスピーチレスで上手くいかない時は、誰よりもコミュニケーションをとって喋るのは仕事になります。

まさにここのポイントが重要で、選手に伝わっていない状態というのが育成年代で一番大きなイシューになっていて、私が前回記事で書いたような『アクションへの動機付け』の裏側にあるイメージの共有というのがポイントになります。

ハードな指導がダメだ!!
選手は褒めて褒めて褒めて伸ばすべきだ!!!

昨今一番よく聞くコーチングに対する意見です。どのカテゴリーにも寄せられる、コーチングの領域が家庭領域サイドに近づくべきだという意見だと分析しています。
この状態の何がいけないかというと、確かに熱が入り檄がとぶシーンで熱さゆえに選手への言葉かけをミスするのはいいことではありませんし、恐怖でコントロールしようという魂胆は浅はかであります。
熱さが選手に伝わっていない状況は選手との信頼関係の構築やマインドセットの共有ができていない状態に当たります。

この状況でコーチが伝えなかればいけないことは、
表面的な「結果(あれができていない、気持ちの部分など)」に対するコーチングでなく、「結果を生むためのプロセスへの理解(動機付け)」であると思います。前回記事で触れている部分はまさにそのポイントなのです。

ハードな指導というのは選手にとってハイリスクハイリターンという側面があり、文字通り「反発」が起きることとフラストレーションの「昇華」ができる選手にのみ効果的と私は分析しています。
なぜ、昭和的(平成初頭的)指導がうまく行っていたかというと、子どもと大人の距離感が遠かった時代には、こうした大人を試練として捉えることができていて、フラストレーションの昇華方法を自然と家庭や学校で身につけていたというのが要因で、選手側のポテンシャルに助けられていた時代と考察すると良いのかもしれません。
単に時代が違うというわけではなく、選手側が積んできた経験により、育まれていた能力が異なるというのが結論です。

成功する時は必ず風が吹いている

試合の局面で追い風が吹いている状況ってご存知ですか?
何をしても成功する、チームが手繰り寄せた流れに全員が乗っかっている状態です。これはシーズンを通じてチームに吹く風によるものです。
マインドセットの話もそうですが、いい風が吹いている時はこのハードな指導が唯一可能な状態かと思います。
「もっと、もっとだ!」
選手がポジティブなマインドセットでいる状態は、コーチの熱に煽られ、選手も熱をおび、反発を可能にしていたり、そもそもフラストレーションも溜まらない究極の状態がやってきます。

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マリオでいうところのスター状態です。(あ、このフレーズ前にも使いましたね)

このポジティブといい部分をどこまで定着できるというのが日々のミッションになるわけですが、「できないことをできるようになる」プロセスをポジティブな状態にセットすることは非常に難しいです。
ただ、フォーカスすべきはできないことよりできること、なぜできるようになりたいかという部分かと思います。また、できる人たちを目の前にどう捉えていくかという部分に感じます。

「あの人はこうだからできて、自分はああだからできない」
「あれを身につけたいけど、これをするのはいやだ」

成長には必ずネガティブな要素やわかりやすい回避方法もつきまといます。
この2つの意見も私がスキルコーチングをしていてよく耳にするフレーズです。これらの課題点は、「イメージを創造できていないこと」です。ゴールは分かっていても具体的なプロセスが見えずにぼんやりと自分が作ったイメージだけで結論を作ってしまっている状態です。
ここでも第3者的目線が育まれていたり、単純なPDCA(CAPDの可能性が高い)が見えていたり、成功体験を多く経験している人にとっては頭で伊r会できれば自ずとついてくれる部分でもあります。

ポジティブなマインドセットを作るためには、このプロセスをいかに楽しむかというところが材料になるかもしれません。
集団の行先のビジョン、例えば関東大会や全国大会で活躍する姿をより分解して、まず「できるようになった自分のイメージへワクワクすること」やできた自分がどのような眼差しが向けられるかといったイメージを作ることでポジティブなマインドセットを作ることができます。

具体例として、
「カリーが好きでお手本にしている選手がいます。」

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・カリーのように3Pを打てる(決める)ようになりたい
という目標や夢、動機に対して
・カリーのように(コート内外での)影響力を持てるようなシューターになりたい
そのイメージの創造性を膨らませるような声かけや動機付けをすることができれば、マインドセットはより強固にポジティブなものへと変化していきます。

具体的なアクションとしては、前者は3Pシュートをたくさんする、真似をするというアクションに対して、後者はよりカリーイズムにバスケットを捉えて深い部分まで理解しようとする、より具体的な、シュートの1場面を切り取った模倣だけでなく、姿勢やメンタリティなどにわたる全体的な模倣になるといったポジティブな面をもたらすはずです。


まとめ

結論としては、私が行うコンサルとアシスタントとしての立ち回りから得た経験や知識をアウトプットできるようなチームワークを発揮することの重要性とそれを理解した選手サイドのサポート体制が大切なんだということです。

コーチとして指導を行っている人はそのコーチングの方法や工夫だけでなく、もっと噛み砕いた分析のまず大前提にある選手のモチベーションの作り方、動機の作り方に工夫を凝らすことで選手をポジティブなマインドでい続けさせ、チームに良い風を吹かせることを目指していくといいのではないでしょうか。コーチはまず、選手たちに心の栄養の源になる言葉かけができればいいのではないでしょうか。それは年代を問わず、指導において大切な取り組みだと確信しています。

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