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旅の記憶 パキスタン編  予告


プロローグ

この時僕は人生で初めて
陸路の国境を越えた

中国のカシュガル、タシュクルガンから
カラコラムハイウェイを抜け
標高4700メートルの
クンジュラブ峠を越え
パキスタンへ


峠越えは1泊2日の日程


カシュガルで同じホテルに泊まっていた
天山山脈を登山してきた
日本人の登山家2人が
ビザの期限がギリギリで
急いで国境を越えたいと
ランドクルーザーをチャーターした

バスと同じ料金でいいよと言うので
そのクルマにちゃっかり便乗


快適なクルージングになるかと思ったが
国境越えを目指したその道中
僕は高山病にやられて
体調は最悪

食事をとっては戻し
お茶を飲んでも戻し
水を飲んでも戻し

食べることも
飲むこともできなくなり

嘔吐に加えて激しい下痢
蝕まれる体力と気力

登山家の2人から

 水も戻しちゃうのはまずいね
高山病は病気じゃなくて
高度に体が慣れないと出る症状だから
薬じゃ治らないんだよ

とにかく下山するしかない
この先もまだ標高は上がるから
引き返すのが確実だと思うよ


と専門家らしい
的確なアドバイスをされるも


その時の僕はその真っ当な意見を
聞く耳は持っておらず

ここまできたら
何がなんでも国境を越えるんだと
車から降りることはしなかった


今考えれば 迷惑な若者でしかない
ちなみに当時、僕のような無謀な旅行者が
毎年1人くらいは
亡くなっていると言う噂もあった

今こうして生きているのは
ラッキーだったと思う



これまでの砂漠とは
全く異なる
標高4000メートルの世界



断崖絶壁の間を縫うようにできた道路

高山病の回復のために
国境を越えて
早く下山したい僕

それを阻む崖崩れ



色々あったのに
体調が悪すぎて写真少なめですが
明日からいよいよ
そんな風にはじまった
パキスタンの旅のことを
お伝えします



パキスタンに至る前
シルクロード編はこちらのマガジンにまとめてあるので
気になった方はぜひ見てみてください


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