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旅の記憶 1994・夏 国境を越えて



30年前の夏
僕は人生ではじめて
陸路で国境を越えた


ついに中国とパキスタンの国境に到達


国境のイメージと言うと
検問所があって
そこを越えると隣の国
みたいに思っていたが

中国とパキスタンの国境は
そのイメージとは少し違った


この国境の石碑に至るだいぶ手前に
中国側のイミグレーションがあり
そこでパスポートに
出国のスタンプを押してもらうと
記録としてはそこで中国を出たことになる

そこから何時間もかけて
ようやくこの石碑のある
国境ラインに到着するが
見ての通り周りには何もなくて
高原の道路の両脇に
ポツンと石碑が立っているだけ


そこからまた数時間かけて
ようやくパキスタン側の
イミグレーションがある
スストと言う街で
パキスタンの入国スタンプを
押してもらえるのだ

今の状況が気になって調べてみると
どうやら現在は
立派なゲートができているようだ
僕が最初にイメージした国境になっていた

ふじもんさんのYouTube動画
5分30秒くらいのところに
同じ石碑が見えます
道路も立派になってました


ちなみにこの間パスポート上は
どこの国にも入国していないことになる

僕がはじめて陸路で
国境を越えた瞬間

国境の石碑で記念写真 パキスタン側


もちろんこの時は
高山病で気力も体力も限界を越えていたが
この瞬間は笑顔になっている


こちらは中国側

めっちゃ笑顔だが
残念ながらこの時の記憶も
写真を見てもあまり思い出せない



国境ラインを越えると後は山を下るばかりで
やっと高山病の苦しみから解放されると言う
安堵感に包まれていたことだろう


国境を越えた僕たちの車は
峠道を勢いよくどんどん下りて
パキスタン側の
イミグレーションのあるスストまで
一気に辿り着くのかと思っていたら
この旅で2度目の崖崩れに遭遇

僕たちは再び足止めをくらう


崖崩れのため歩いて反対側へ


当時のこの国境越えの道路はは
舗装もされておらず
写真のような切り立った崖の間を
縫うようにして走っている


道路脇の川氷河が溶けた水なのかすごい濁流


この絶壁の岩は見るからに脆く
いつどこで落ちてきてもおかしくなさそう

実際ドライバーさんは
この山間の道を走っているときは
チラチラと上方の
崖の様子を見ながら走っていた


こんなでかい岩が落ちてきたらひとたまりもない

崖崩れの場所の
随分と手前で車を止められた僕らは
様子を見に道の先へと進む


角を曲がると瓦礫の撤去作業の真っ最中

しばらく歩くと
本格的な瓦礫の撤去作業をしていた

今にして思うと
こんなブルドーザーがここにいるくらいだから
これは随分と前に崩れたものだったのだろう

多くの人が、ここで足止めを食らっていて


現地の人も待ちぼうけ

僕たちもなすすべなく
時間だけがすぎて行った

高山病の症状が和らいだせいか
この辺りから写真の枚数が増えている

何やら相談している イサクとケンイチロウ

記憶は曖昧だが
ここではかなり長い時間待たされたようで


暑さと疲れでぐったりしているケンイチロウ

こんな写真や

イケメンの外国人とほっかむりの日本人の図


こんな写真がある

高山病から回復して
だいぶ元気が出てきていたのだろう


他にも外国人がいた


日記によると
なすすべなく待っていた僕らと違って
ビザの期限が差し迫っていた
登山家の2人が
崖崩れの向こう側にいた車と
交渉をしてきてくれて
僕らは車を乗り換えて
スストの街に向かったとある


遠くに僕たちの乗っていた車が見える


この写真は、多分歩いて崖崩れ現場を越えて
振り返って撮った写真

全く覚えていないのだが
この時の登山家の2人に
この場を借りてお礼を言いたい

あなた達のおかげで
無事に国境を越えることができました
ありがとう


遠くに見えるのはカラコルム山脈だろうか


こうして僕たちは
無事に国境を越えて
パキスタンへの入国を果たした

続く


しばらくカラー版が続いてましたが
明日からまた、モノクロシリーズに戻ります
カラー現像難しいです。
色々研究して、写真はもう少しきちんと現像したいと思います
その時はまた見にきていただけたら嬉しいです


パキスタンに至る前
シルクロード編はこちらのマガジンにまとめてあるので
気になった方はぜひ見てみてください


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