解析入門I - 実数列の極限2
この記事は解析入門I (杉浦光夫 著)の読書ノートです。
前記事では実数列を厳密に定義するためにまず自然数を定義し、自然数から導かれる数学的帰納法について議論した。この記事ではまず、数学的帰納法によって証明される例である二項定理を証明し、そのあとに有限集合とは何か、そして整数、有理数を定義していくことにする。
まず二項定理を証明しよう。次のような定理である。
まず、$${n = 0}$$のとき、左辺は$${a, b}$$がいかなる時も$${1}$$であり、右辺も$${{