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【教育】感情を伝えること

中学生の集団に話をする時、大人相手に話をする時とは違い、話し手である自分の気持ちを適度に伝えることが効果的だと考えています。


今、学級担任として毎日、学校の教室で生徒に向かって話をしています。

大人を相手にしていた営業マン時代には、相手に納得してもらうために、以下を心掛けながら話をしていました。

①わかりやすく簡潔に。

②相手にとってメリットあることを中心に。

③根拠と理屈を明確に。

伝えるように話をしていました。まあ当たり前ですね。笑

でも、中学生が相手になった時、このような伝え方で話をしても、あんまり手ごたえがないんですよね。どうすれば効果的に伝わるのだろうと考えて試行錯誤してきました。

 結果、話し手の感情をきちんと伝えることが、話を伝える上で、とても効果があるとわかりました。これは感情的に叱ったり、大きな声を出すわけではありません。話し手の感じている気持ちを伝えるということです。

例えば、

『ルールを守ろう。』

『自分がされて嫌なことは相手にしないようにしよう。』

など、当たり前のことだけど、集団生活には必須なことを生徒に指導するとします。何かトラブルがあると、何度も何度も話をします。

でも、そんな正論や理屈は、中学生にとっては、何度も言われているし、わかっていることなんです。多少、話の切り口を工夫して、いろんな身近な具体例を出したり、他人の気持ちを代弁したりして、相手に伝わるように工夫して話しをしても、なかなか効果的に伝えるのは難しいんですよね。

でもそんな時、伝えたいこと+『話し手の感情』を伝えると、相手にうまく伝わることが多いんです。

つまりその相手の行動に対して、『私はその行動がすごく嫌だ(好きだ)』という自分の感情を伝えるのです。子供には、正論や理屈で言われるよりも、そういう感情の方が伝わりやすいと考えます。

例えば毎日の帰りの会などで、クラスがざわざわしていて当番の生徒の話をあまり聞けない生徒がいた場合、

『当番の話は、しゃべらずに聞こうね』と話をします。さらに状況や頻度に応じて、話の切り口を工夫して、伝わるように多様な観点から、その都度、話をします。

①相手の視点=『自分が前で話をした時に、みんなが聞いてくれなかったらどんな気持ちになる?』

②自分たちの目標=『相手の話を真剣に聞けることが、温かいクラスだよ』

③将来の自分のため=『大人でも同じだよ。仕事をしている時、相手の話を聞けない人は信頼されると思う?』

他にもいろいろな切り口で話します。しかし相手に伝わりやすいのは、以下です。

④話し手の感情を伝える=『相手の話を真剣に聞けないクラスでいいの?私はそんなの嫌です。』『相手の話を聞けなくていいの?私は話を聞けない人がいることがすごく悲しいです。』など

というイメージです。

相手の行動評価をするときに、評価+感情を伝えるイメージでしょうか。
気をつける点は、あくまでその『行動』への感情を伝えることです。人間性やパーソナリティーに対しての、評価や感情は、相手を否定することにつながりかねないので、感情を伝える時は、あくまで相手の行動に対して行います。そして、生徒にとっても『共感できる感情』であることです。感情を伝えることが効果的である理由は、理屈よりも生徒からの『共感』を得ることができるからだと考えています。生徒が、『先生なんでそんな気持ちなの?全く共感できない』と思われるような感情である場合は、注意が必要です。

もちろん感情だけで生徒を振り回してはダメですし、あくまで相手との関係性によるところはあります。

しかし一定の効果がある話し方、伝え方であると考えます。話をするときに、『行動評価+感情』を活用してみてはいかがでしょうか。

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