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生徒を成長させる話 <言葉遣い>


私は中学校で、生徒に対して、「カッコいい大人になろう」と伝えています。でも「カッコいい大人」って何でしょう?自分でもいつも迷い考えています。
さて今日は、まだあどけなさの残る中学1年生に対して、「言葉」について、よく伝えている内容を書きます。


『やはり言葉って難しいですよね。みなさんの中には、思ったことをなんでも口に出して言ってしまう人がいます。もちろん気持ちはわかるよ。思ったことを言いたいよね。でもね、それは公の場では、やめてください。だってあなたが思ったことをそのまま言っていたら、周りの人はうれしい気持ちになると思う?

例えば、教室でこんなことを言う生徒がいます。「給食まずい」「え~そんなのやりたくない」「この内容つまんない」「あいつむかつく」「あいつうざい」

言っている本人はいいかもしれないけど、こういう言葉を聞いている周りの人は、とても嫌な気持ちになります。あなたは気づかないけど、周りの人を嫌な気持ちにさせているんです。周りの人を嫌な気持ちにさせると、周りの人はあなたのことを嫌な奴だと思います。つまり、思ったことを何でも言っていると、あなたは周りの人から嫌われていってしまうのです。これは本当です。だからあなたは、いま、直さないといけない。

だってさ、もしも、さっきのような言葉を私が職員室で大きな声でいつも言っていたら、私はどうなると思う?「給食まずい」「やりたくない」「うざい」とか大きな声で言っていたら、やばい先生でしょ?周りの人からは、きっと相手にされなくなります。大人が言ったら許されないのに、どうして中学生のあなたは許されるの?おかしいよね。

今までは、思ったことをなんでも言っても、許されていたかもしれないけど、中学生になったいま、もうそれはやめよう。

学校は公の場です。大切なことは、少しの気遣いと、少しの我慢です。嫌なことはある。やりたくないこともある。でも公の場で、ネガティブなことを大きな声で言うことはやめよう。文句を感情のままに言うと、結果的に自分が損をしてしまいます。だから、文句ではなく、どうすれば楽しくなるかとか、みんながうれしくなるような言葉を使ってみよう。

みんなが少しの気遣いと、少しの我慢をしていくと、きっと、誰もが嫌な思いをしないようになっていくと思います。もしかしたら、それが大人になるってことなのかもしれません。あなたはどう思いますか?』

生徒の中には、なんど言っても嫌なことを大きな声で言う生徒がいます。そういう生徒はどのようにしてもすぐには変わりません。でもその生徒が将来損をしないように、何度もいろいろな形で誠実に伝えていくしかないと思っています。そしてこのような話を、集団全体に何度も伝えていくと、周りの生徒がどんどん大人になっていきます。そうすると、集団全体が大人になり、嫌な生徒を受け入れられるようになっていきます。集団全体が、柔らかい雰囲気のやさしい集団となっていきます。

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