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「Fukushima50」の意味

欧米のメディアは、
東日本大震災で福島第一原子力発電所の対応に、最後まであたった勇姿約50名を、
「Fukushima50」(フクシマフィフティ)と呼ぶ。


今朝も私が住む横浜では震度3の地震がありました。最近多いですね。
東日本大震災から10年。

「Fukushima50」の意味を知っている日本人は、どれほどいるでしょうか。
先日地上放送でも放映され、日本アカデミー賞の優秀賞を受賞した為、
映画を観た人は増えつつあると思います。
私の友人数人にその意味を知っているか聞いたところ、
知っている人はいませんでした。

映画「Fukushima50」は、
東日本大震災よる
福島第一原子力発電所の全電源喪失に伴う
原子炉の暴走を引き留める為に、
最後まで命懸けで戦った、原子力発電所で働く方々の実際のお話
です。
とてもリアルに描かれています。

凄まじい事故だということ、
現場の方々が、死を覚悟して、
でもそれを見せずに懸命に戦っていること、原発に対する愛をも感じる強い想い、
当時の発電所責任者の吉田所長と、
東京から口を挟んでくる東京電力本店、首相官邸とのやり取り、
首相が東電に、「命をかけてください」という場面・・

YouTubeで公開されている当時のテレビ会議を拝見しましたが、
かなり忠実に描かれていると思いました。

「Fukushima50」が上映がされた一年前は、
ちょうどコロナの感染が拡大し始めた頃で、
私は映画館に足を運んで観たものの、
大々的には公開されていなかったように思います。
私は昨年2度映画館で鑑賞、
今年WOWOWで放送されてからは、
全部で10回くらい観たでしょうか。
私にとってはそれくらい衝撃的な内容でした。
年度観ても涙は止まらない。
こんなことがたった10年前に起こったなんて、信じられません。

地震発生当時私は、勤務先の東京にいて、
地震発生に伴う緊急対応等に追われたけども、
幸運にも当日中に電車で横浜に戻ってくることができました。
首都圏は、電車の間引き運転や、計画停電等、
地震による影響は、多少はありましたが、
そこまでではなかったと思います。

地震発生後の福島第一原発の出来事は、
もちろん今でも覚えています。
けれどもこんなにも危機的状況だったとは・・
原発が、大変なことになっている、
ということは覚えていますが、、
どこか他人ごとに思ってしまったり、
当時原発の対応に追われている人たちのことまでは、残念ながら考えられませんでした。


もし原子炉の暴走を止めることができなければ、
予想される被害は、
1986年チェルノブイリ事故の数十倍。
日本は壊滅する

私は原子力に詳しいわけではなく、
賛成・反対とか意見を言えるわけでもない。
当時ボランティアで福島に向かったわけでもない。
当時の東電本店の対応、政府の対応について、
どうこう言える立場でもない、

けれども、
当時日本が直面した、原発での危機的状況に、
現場で、命懸けで戦った人たちのことを、日本人として、知っておいた方がいいのではと。

なぜ2号機の水素爆発を防げたかは、
未だに謎で、奇跡だと言われていますが、
地震発生後多くの危機的困難が直面しつつも、
必死の思いで対応にあたった方々のお陰で、
奇跡に繋がったように思います。


映画の中では、その他日本が考えるべき問題、
例えば国の指揮命令系統の構造、
原子力保有国としての危機管理体制、
原発を民間の会社が管理していること、
そして自然を舐めてはいけないことなど、
向き合うべき問題や気付きを表していると思います。

地震のことを思い出したくない方も多いと思いますし、
東日本大震災に関する情報は、センシティブであり、
メディア等による提供が少ないと感じますが、
最後まで戦ってくださった方々のお話は、
ぜひ多くの方に知ってもらいたいと思います。
映画は、津波による被害などの町の映像はありません。
基本的に、福島第一原子力発電所内の映像、ストーリーに限られています。

また、映画は賛否両論あるようです。
当時の首相の描写については忠実でないとか、
東電本店のお粗末さが描かれていないとか・・
そのあたりのことは、私には本当のことは分かりませんが、
最後まで諦めずに懸命に対応してくださった方々のお話は、紛れもなく事実です。

また映画の最後に描かれているトモダチ作戦!
アメリカ軍による日本への支援、Tomocachi Operationです。
こちらは有名な話かもしれませんが、
この場面もよかったです。

出動したアメリカ兵は、2万4千人。
航空機189機、艦船24隻が投入され、
震災発生翌日から1か月半、救援活動や物資の輸送、仙台空港の早期復旧にあたってくださったそうです。

思いの外長くなりましたが・・、
ぜひ映画をご覧いただければと思います。



最後に、先日福島より
聖火ランナーがスタートしましたね。
まだ避難生活をされている方が3万5千人ほどいるそうです。
福島の復興を、心より願っております。

東日本大震災で亡くなられた方々にご冥福をお祈り申し上げますと共に、被災された皆さまに、心よりお見舞い申し上げます。

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