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みんなが「記憶 消してもう一回観たい」という映画について。

これはショートケーキのイチゴをどのタイミングで食べるかの話に似ているかもしれない


私は映画を観るのが好きです。

言わずと知れた名作をまだ観たことがなかったとき、これを読んでいるみなさんはどのタイミングでそれを観ようと思いますか?

「映画を観るのが好き」と先ほど書きましたが、映画って面白いと気づいたのはなんと18歳くらいの時。
今23才なので遅咲きです。
大学受験が終わって卒業までの時間、何をしても自由という期間が初めてで色んなことをしました。
ちょうどその当時、Amazon Fire Stickの一世代目が出始めたくらいで、父親が嬉々として購入していたのを思い出します。
家族の中で1番暇だった私はそれをありがたく使わせてもらい、Amazonプライムのおかげで映画の面白さを知ることができたわけです。

いわゆる映画好きの人と比べたら、ものすごく遅いスタートダッシュ。
それを補うために、ネットを駆使して「これは観とくべき」みたいな名作や、後の映画界に大きな影響を与えたような監督をひたすらインプットしました。
そういう映画の情報を管理しやすいプラットフォームが整えられている時代に既になっていたのはありがたかったことですね。

私はどちらかというと頭でっかちなタイプで、体系的な知識を先に入れておきたいと思っちゃうタイプです。
観光地に行く際にはそこの歴史を調べたり、気に入った小説の作者の生い立ちを調べたりするのが好きだし、調べてみてから作品自体に興味を持つみたいなことも多いです。
だから、映画のことを全く知らなかったその頃も「この映画の影響を受けてこういう作品ができた」だとか、「この映画はこういう観点から評価されている」みたいな情報をひたすらふむふむと見てました。
たっぷり時間のあった高3から、一人暮らしの法学部の大学1年生になると忙しくなり、映画はちょこちょこ観つつも、情報を集める時間の方が多かったです。

そんなこんなで大学3-4年生時には、大学の授業数が減っていったのと、新型ウイルスの流行もあり、2年間で新作・旧作含めて300本強は観ました。
(就活があった割には観すぎてますね。)

そのうち、「これおもしろそう!」というモチベーションで観たものと、「これは勉強用として観た方がいいよな」と思って観たものに分かれるなと思うのですが、
なぜか私は「映画は逃げるわけじゃないし」と思ってしまい、自分が観たいなと思っているものよりも、観ておいた方がいい作品を優先して観てしまう癖があるように思います。

だから、超面白い名作とは知っていてるし、観たいからこそ、寝かせてる映画が山ほどあります。
例えば、スタンリー・キューブリック、アンドレイ・タルコフスキー、黒沢清、ロイ・アンダーソン……などなど。
上記の監督の作品を一作も観たことがないわけではないのですが、休日に1人、家で映画でも観るかとなるとインディー映画とか観ちゃうのです。

その理由の1つとしては、名画座などで劇場公開されるタイミングを狙っているのもあります。
ゴダールの気狂いピエロとかはそうでした。
リマスター版が出ると知ってから、きちんとしたスクリーンで観たいと思い、それまでは観ないようにしていました。

そして、観たいのに観ていない1番の理由としては、映画好きと話しているときに「〇〇まだ観てないの!いいなあ〜。記憶消して僕ももう一回観たい。」などと言われることが頻繁にあるから。
そんな風に言われてしまったら、逆に観るのが怖くなります。
この映画を観たら自分の人生の楽しみが一つ減ってしまう……。
大袈裟に言うと、そんな恐怖に苛まれるのです。

確か、かまいたちの漫才に「トトロを見たことがない人」のネタがありますよね。
「日本人のほとんどってもうみんなトトロを観ちゃってるけど、僕はまだトトロを観たことがない。僕はトトロを観る人生も選べるし、観ない人生も選べる。だが、あなたたちには選択肢はない。僕はまだ人生に可能性を秘めてる!」みたいに山内さんが言って、濱家さんにしばかれるというネタ。

そんな感覚で、ショートケーキの上のイチゴをとっておくタイプの人間は、究極形として、もうケーキとクリームは食べ終わってあとはイチゴだけという状態になっても、違う食べ物を探し始めてしまうのです。

ただ、ショートケーキとイチゴの例え話を出しましたが、映画が異なるのは、別に映画は観てもなくなる訳ではないという点。
最近は仕事で忙しい日々を過ごしており、なかなかゆっくり映画を観る時間を作れません。
だからこそ、一息ついて映画を観ることができるような時間ができた際には、今までとっておいたとっておきの作品を観るときが来たのかなと思います。

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