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0から始める地域事業造り!【事業案作成の概要編】

※【0から始める地域事業造り!】シリーズは、起業や営業などの経験が一切ないけど地域住民のための事業をやりたい!という方向けに作ったものです。実際に地域事業を立ち上げから関わり、1年足らずで数十件ものキャンセル待ちの事業を作った筆者が、事業案から集客、サービスの提供体制までをシリーズを通して解説していきます。

「何か独立してやりたいけど、何をやればいいのかさっぱり分からない!」

そんな漠然とした思いを抱えた方は多いのでは無いでしょうか。

そんな方に向けて、今回は「0から始める地域事業作り」というテーマで数パートに分けて事業案の作成から集客、具体的なサービス作成を解説していきます。

あくまでテーマは地域事業作りですが、地域事業作り=収益化する事業なので、ビジネス的な要素がゴリゴリ入ってきます。
なので、所属している組織から新規事業の作成を任された方やサロン等の開業を予定・営業している方にも有益な情報をお届けできるかと思います。

ということで、本シリーズは以下のような方に向けて書いています。

・何となくやりたいことはあるけど、始め方やノウハウが分からない
・上司から新規事業の計画を頼まれたが何をしたらいいのか分からない
・将来、独立して事業の開設・開業を行うつもり
・ビジネスを計画することに興味がある

本シリーズは、私が現場で実践しているものと今回の企画のために作った事業計画案を元に進めていきます。ですので、皆様がイメージできるように作成の経過もお見せしていきます。

基本的に有料ですが、無料の部分でも概要程度は掴めるように書きましたので、是非ご覧いただければ幸いです。

有料部分では、今回の企画用に作成した事業計画案をテーマごとに分類して差し上げます。また、情報源の内容や使用したフォーマットの細かい解説なども入れておきますので、ご活用ください。
そして、最後の方に事業案を作成する上で一番重要なものを書いてあります。

ということで、第1回目の今回は「事業案作成の概要」についてです!最後までご覧ください!

※修正(2022/6/15) 現在は有料設定ではありますが、全文有料でご覧いただくことができます。もし、本記事が参考になったと思った方は募金感覚で購入したいただけると、今後の記事作成の励みになります!

①事業の”心臓”を型にはめて考えよう!

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事業を始める際には、まずは心臓部分である「何をやるか」を決めなければなりません。これが無ければ何も始まりません。

恐らく、この記事を見ている方は「何となくやりたいことはあるけど、十分な形にはなっていない」という状態では無いでしょうか。

「何をやるか」を考える際の切り口には主に2つあるので、それぞれの項目と特徴をまとめてみました。

【自分が良いと思うものをやる(プロダクトアウト)】自分が良いと思うサービス・製品を作成して顧客に提供する。
例)「健康には運動が良い」と思ったので、パーソナルジムを開業する

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【顧客が求めるものを作る(マーケットイン)】顧客(市場)が求める(明確なものでも潜在化しているものでもOK)ものを調査して、調査結果に合わせたサービス・製品を提供する。
例)20代男性のボディケアに対する需要が高まっているので、美容系パーソナルジムを開業する

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現代ではマーケットインの方が主流と言われていますが、プロダクトアウトの方でも全く問題はありません。個人的に思うのは「作りたいもの=作れるもの」ではないので、両方の視点の妥協点を探していくのが得策かと思います。

この段階で「何をやるか」が抽象的でも何も問題ではありません。それは次に説明する「肉付け」の部分で具体化されることが多いためです。

②「型」という理想論から実現化するための「肉付け」

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プロダクトアウトやマーケットインなどの単語は、調べればどこにでも乗っているような知識です。
ただし、これらの型にはめて実際に考えていくとなると、めっっっっっちゃ難易度が上がります!

その原因の一つは、これらの型にはめた考え方のモデルが少ないこと。また、この型の深さを理解するには指導者がいないと分かりにくいことが挙げられます。

どちらの型でも必要な肉付けがあります。そこで、肉付けすべき要素を以下にまとめました。有料部分では、これらの概要と本企画用に作成した事業計画で具体例を示しています。

【市場調査(マーケットリサーチ】
提供するサービス・製品の売上シェアなどを明確にするために調べる
【競合他社分析】
競合しそうな会社・事業を調べ、それらとの差別化のために分析する
【顧客ニーズ調査】
アンケート調査などによる顧客が顕在的・潜在的に求めているものを調べる
【事業戦略計画】
事業を行う上で、継続性・収益性・拡大性が見込めるような作戦を立てる
【サービス・製品価値の提示】
このサービス・製品・事業が持つ本質的な価値を提示する
全ての計画・事業において軸になる
【資金調達計画】
事業を開始・継続するに当たってのお金の準備方法と時系列を示す
【広報戦略】
事業を顧客に知ってもらうための手段を示す

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③「肉付け」から「骨格」を作り出す

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肉付けした7つの部分に、プロダクトアウトやマーケットインの型にはめただけのビジネスモデルを作っても勝算はほぼありません。

しかし、これらを分析していくと「何をやるか」が必ず具体的になります。ただし、条件としては徹底的にやり切ることです。

ちなみに、今回の企画用の事業案は「東京都にメンズ美容系のジムを作る」というテーマで作ってみました。全て細かくやると長くなりすぎるので、今回は概要をお伝えし、次回以降にそれぞれの細かい部分を解説していきます。

理由は2つあり、①「地域事業≒高齢者の予防」から少し離れた「若者を遠回しに健康予防へ繋げられそうなもの」だから、②筆者自身が無知の分野×ちょっと知っている分野で作成することで、読者の皆様に近い目線で作れそうだったからです。

てことで、ここからは「東京都にメンズ美容系のジムを作る」ために”型”と”肉付け”を行っていきます

④”型”と”肉付け”を使った実践例

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まずは”型”ですが、こちらは先ほどからテーマにしている「東京都にメンズ美容系のジムを作る」になります。

一応、今回は0からスタートするということなので、その状態から事業を開始するという設定で行っていきます。プロフィールは私に近い形で以下の通りに設定しました。

・年齢(性別):27歳(男性)
・職歴:回復期病院勤務5年
・資格:理学療法士
・資金:200万円

これだけ見ると何の変哲もないヤツですね。それでも事業は作れます。

さて、今回のビジネスモデルをプロダクトアウトかマーケットインに分類するとしたら、プロダクトアウト(自分が良いと思うサービスの提供)の方です。現状では顧客のニーズを度外視して、自分が行いたい内容だけを述べているように見えます。

しかし、テーマに”肉付け”をしていくと、一気にマーケットインの発想になります。まずは、その説明に必要な図をご覧ください。

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これだけでも何となくビジネスモデルとしての形が見えそうではありませんか?

この図に記してある”肉付け”の要素の解説をまとめてみました。

【市場調査(マーケットリサーチ】
年々、男性が美容に費やす金額は増加傾向にあり2014年と2017年の比較ではボディケアにかける金額が約2200円増えた。また、東京では港区(特に青山辺り)は美意識が高く競合他社が少ない。
➡今後成長する見込みのある市場である上に勝算もありそう
【競合他社分析】
パーソナルジム自体が少なく、あっても女性向けであることが多い。
➡競合しにくい環境のため、売り出し方は他社とハッキリと差別させた方が良い
【顧客ニーズ調査】
20~30代男性の美容意識は57.8%と高く、特に悩みの項目では「肥満」が17.8%、「筋肉がない」が15.9%であった。また、食事や栄養関連に興味を持っている層も多い。行きたいと思うサロンは「低価格」が40%、「メニューと金額が明確」が30%だった。他の男性美容サービスでは菅〇将暉のような細マッチョ(?)に似たモデルが多かった。しかし、周りの人に「男なのに美容に気を使っている」と知らされるのは恥ずかしいという方が多かった。
また、Googleのキーワード検索では「美容 痩せる お腹」「痩せる 栄養」などを検索していることが多かった。
➡初回体験の割引設定や運動+食事によるダイエットサービス、サービスによって理想体型を手に入れる時のイメージ戦略としてのモデルを選定する。また、安心して通えるようにプライベート空間の確保や個人情報保護に努めるような空間作りを行う。
【事業戦略計画】
美容×メンズ×フォットネスのジャンルは競合他社的にも成熟していない市場な上に、若者への健康予防戦略で上手く行っている事例が少ない。
➡事業の拡大に伴い人材・顧客のプラットフォームを作成し、集客戦略や人材育成、コンサルティング業を展開していく。また、事業拡大に伴い個人事業から株式会社へと移行していく。

ボリュームから見て分かる通り、【顧客ニーズ調査】は事業計画を作る際に軸となり得ます。

【サービス・製品価値の提示】
上記の情報と自分が持っている知識や技術(今回のモデルで言えば理学療法士の資格を活かす)を組み合わせて作る。
➡「モテるを安く・簡単に・正確に手に入れる」を理念に、顧客ニーズに沿ったオーダーメイドのサポートを行う。
【資金調達計画】
スタート時の資金が200万円のため、初期費用(物件取得費用、内装費、機器設備費など)や損益分岐点を算出。不足分は外部からの調達で補う。
➡銀行や日本政策金融公庫、エンジェル投資家などから融資を行う。優先順位としては、日本政策金融公庫、銀行、エンジェル投資家の順。
【広報戦略】
情報源の約40%はyoutube、約20%はInstagramやTwitterなどSNSツールが中心であった
➡SNS戦略やYouTubeからの集客や収益化が見込める上にジムに足を運ぶキッカケ作りを段階を追って行う。また、必要に応じてビラ配りやポスティングを実施する。

今回はあくまで概要なのでざっくりとまとめました。これらの調査方法や方針決定については各テーマごとに記事を書いていくので、そちらをご覧ください。

そして、最後に事業案を作成する上で一番重要なことを述べていきます。

⑤事業案において一番重要なのは○○が中心であること

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事業案計画において一番重要なこととは、7つの不のいずれかを解決することが中心であることです。

7つの不とは、不安・不便・不精・不純・不人気・不労・不変です。これらを解決するために事業という手段を用います。そして、顧客はこの7つの不を解決するために私たちの事業にお金を払っています。

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今回のメンズ美容×フィットネスが解決できそうな「不」をまとめてみます。

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これら3つの不の解消に有効だと思われます。

そもそも、なぜ7つの不を中心に考えなければならないのでしょうか?
それは、7つの不を解決することが社会や生活を豊かにすることであり、収益化できるポイントでもあるからです。

私たちの生活に普及したAmazonは”不便”を解決し、SNSは”不人気”を解決し、出会い系サイトは”不安”を解決し・・・。
需要のあるサービスや事業は、ほぼすべて7つの不のどれかにアプローチしていると言えます。

⑥良い事業案は『調査力×分析力×熱意-妥協』

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色々書いてきましたが、すべてに共通するのは4つ。

①事業を始める前の勝算や必要な資金など【調査力】が必要
②競合他社や顧客ニーズなどの【分析力】が重要
③膨大な準備・少ない味方・風当たりの強い世間の中でも粘り強く立ち向かわないといけない【熱意】
④折れそうな心に釘を打ち付ける【妥協】をしないこと

これらが無いと、事業を経営していくのは難しいでしょう。

そして、今回の内容は超・超・超初級編です。

恐らく、事業をやられている方から見たら「情報が足りなさすぎるだろ!」と思われる内容です。しかも、難しい用語はかなりカットしてあるので覚えることはたくさんあります。

それでも!
自分のやりたいことを実現するために、地域の環境を良くするためには事業を経営しなければならない時があります。

そんな方に届けば良いと思い、書きました。

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では、最後までお読みいただきありがとうございました。

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