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中国ではスタバを超えたLuckinCoffeeに最強のライバルあらわる。日本にも上陸した黒船コーヒー店Cotti

最近気になるニュースを日本の方に教えてもらいました。中国に詳しいみなさん、库迪咖啡(Cotti Coffee)はご存知ですか?

中国発の新たなコーヒー黒船が日本に上陸したというニュース。中国のコーヒーチェーンといえばLuckin Coffeeが有名で、日本の中国情報ライターの方々もたくさん取り上げてますね。ボクも何度かnoteで紹介してきました。

LuckinCoffeeの先日の茅台とのコラボは日本でも話題になっていたと聞きました。Luckinは急成長したり、破産寸前になったりと話題にも事欠かないのですが、実際にはすごい速度で成長してるし儲かってます。

先日の決算発表では総収入が620.1億元となり、長年にわたりコーヒー市場を席巻してきたスターバックス中国の収入(第2四半期の純収入590億元)を上回りました。しかも重要な点はそのスピード。スタバが24年以上も中国で事業しているのに対し、Luckin Coffeeは最初の店舗開店からまだ6年も経っていない。

ただ、このLuckinに最強のライバルが現れたと現地で話題なのが库迪咖啡(Cotti Coffee)。恐るべきはそのスピード感。スタートからわずか10か月足らずで、庫迪コーヒーの全国店舗数は5,000店を超えたと公式に発表されました。スタバをすごい速度で追い抜いたLuckinでさえ、6年かけ、最近1万店舗数を達成したというのに。。

■Cotti Coffeeの成長がここまで速い理由とは

当然「Cotti Coffeeがやばいぞ」「なんでこんな速度で成長しているんだ?」と注目されています。それらを調べて言えることは、とにかくLuckinに似ているということ。

まず創設者たちが元Luckin Coffeeの人たちであるということ。Luckinの元総裁の陸正耀(ル・ジャンヤオ)とLuckinの元CEOの錢治亞(チエン・チーヤー)です。彼らは2020年にLuckin Coffeeの財務不正スキャンダルによりともに取締役を辞めていて、Cotti Coffeeを新たにスタートさせたということ。

彼らのビジネスの進め方も露骨です。まず、店舗の立地条件ですが、CottiコーヒーはLuckinの近くに開店しているものが多いようです。日本のコンビニも、コンビニがあればそのエリアに間違いないということで別のコンビニが近くに出店しますよね。店舗開拓の王道か。

また、Luckinの代名詞ともいえる"ネット注文・決済&受け取り"モデルをCottiも展開しています。ただ、これに関しては今では中国のドリンク店大手はどこも採用していて、利用者側からしても必須です。日本のコーヒー店でも多くの利用者は並ばずにネット注文して受け取りに行ってますか?

また、フランチャイズモデルにおいても、同様の連携モデルを採用しています。加盟料は徴収せず、店舗の営業総利益に基づいてサービス料を受け取るというスキーム。

さらにマーケティングもうまいという評価があります。同じ鞘元のLuckinといえばマーケティングの優秀さ。先日の茅台とのコラボも、その前の日本アニメJojoとのコラボもリアルでもWebでも鬼のようなバズりでした。間違いなく超優秀なチームがいます。

Cotti Coffeeでもマーケティングの巧妙さは受け継がれている模様。例えば、2022年11月にCottiがアルゼンチン中国地域のスポンサーになることを発表しました。

ご存じ、2022年の12月のワールドカップでは、アルゼンチンが見事に優勝。Cottiのスタートダッシュの第一歩として宣伝効果は莫大なものでした。

また、2023年2月28日にはCottiが人気モバゲーの王者荣耀(日本版は伝説対決かな)とコラボし、ゲーム内のキャラクター公孙离、杨玉环、武则天の三つのヒーローをイメージするスペシャルコーヒーをリリース。みなさんもLuckinのJojoコラボが頭に浮かびますね。

また、Luckinが有名白酒とのコラボで話題になった後、Cottiも中国のお米名産地の「五常」とのコラボ商品を発表し、米ミルクコーヒーをリリースしました。

ただ、一部の店では“烈酒伤肝、米乳养胃”(お酒が肝臓によくない、米ミルクは胃によい)との宣伝を出して、ネット民から度胸ないなと突っ込まれましたが。ただLuckinが何かすればそれをパクって(対抗してですかね)くる展開。

■この勢いは本物か、それとも

ここまで急激なペースが持続でき、さらに成長できるものなのか。実は問題もけっこう起きているというのがネット民の間でも議論されています。

そもそも、店舗数がここまで急速に拡大した理由は裏があります。庫迪の回答によれば、店舗が急速に増えたのは、会社の主導ではなく、市場の需要の反映だと。コーヒー業界関係者がCotti Coffeeの加盟店に対して調査を行ったことがあります。その結果、加盟するお店は以下の3つのカテゴリーに分けられるとのこと。

・かつて瑞幸(LUCKIN)に加盟し、利益を上げた人々で、瑞幸の加盟政策が厳しくなったために庫迪に加盟した人々
・事業を始めるが何をするか分からない初心者の加盟者で、庫迪の宣伝活動に魅了された人々
・その中間の人々、その他

加盟者の一人は、「このチームは以前成功した経験があり、現在は急速に店舗を展開して効果を上げており、影響力も急速に増しているため、一定の成功の見込みがあると信じています」と述べていました。

ただ、このまま本当に成功できるのかはまだわかりません。報道によると、6月と7月の店舗の統計データではCottiの店舗のほとんどで売上が減少傾向にあることが示されています。Cottiの8.8元(約145円)の価格では利益を上げるのが難しい。”通常価格“の庫迪では売上が上がらず、加盟店は持ちこたえるのが困難と回答している人たちがいます。

さらに、売上の問題に加えてCottiの供給チェーンの問題も頻繁に発生しています。供給チェーンの準備が追いつかず、製品の品質管理や物資設備などの問題が次々に明るみに出ています。

店舗数が増える一方、価格の優位性が維持できなくなったら、加盟店が一気に潰れちゃう心配もあります。

ただ、問題はあるとはいえ、ここまでの超スピードで発展してきたのはすごい。無料クーポンももらえてユーザーにとってもお得です。こういった新規事業がどんどん生まれ、競争することでコーヒーを飲む人がハッピーになるために、ぜひ頑張ってほしいと思います。今、東京には2店舗ほどオープンしているようなので、日本のみなさんもぜひ行ってみて体験してみてください!

(参考資料)

https://baijiahao.baidu.com/s?id=1759055259273498127&wfr=spider&for=pc


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