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真夏の絶対注意喚起

うだるような暑さが続く8月。

北海道出身の私は、本州で暮らすこと12年目にしてやっと熱中症にならなくなった。
梅雨に慣れてきたのも最近だ。キツいけどコツが掴めてきた。

だけど季節の匂いは好き。
雪の匂い、春の土の匂い、雨の匂い。
そしてもうすぐお盆が来る夏の匂いがする。

結婚してからお盆は長野県の夫の実家で過ごしているのだけれど、今回は少し特別。
夫の実家で愛されたトイプードル、ケビンさんの初盆だ。
内弁慶で怖がりで、義父のことが大好きで。
義母には威張るのに甘えん坊で、14年間大事に愛されて家族として生きた犬。

ケビンさんのことは、4月に旅立ってからは義両親にはこちらからはあまり触れないようにしてたし、SNSで話題にすることもなくなった。
SNSでは見てくれている方に悲しい気持ちが伝染してしまうかもしれないとか、義両親が嫌な思いをしないかなと考えたり。
もちろん誰だって、この世に消えない命などないと頭では重々分かっている。
だけど、義両親の痛みはまだカサブタさえできていないかもしれない。

だけどもうすぐお盆。
思い出話で弔うのも良い季節かなと。

それに犬と暮らす人には、この季節気をつけないといけないことがいっぱいある。
今回は、以前夫の実家で起きた事件について話をしたいと思う。


*****


あれは10年前、長野での夏。
まだ長野で暮らしている頃の話。

日曜の朝に夫の両親から切羽詰まった声で電話がきた。
ケビンさんのお腹にいっぱいダニがついてしまったから今日開いてる病院を探して欲しいと言う。

よく山に行くからかな、それにしてもたくさん付いたとは緊急事態だ。
慌ててパソコンを開き町中の動物病院を探すも田舎町では全部休み。
薬も持ってないし、民間療法も探してYahoo知恵袋の関連する質問も見てみる。

「 犬のダニを取るには、右に2回左に3回まわすんでしたっけ?」

この質問にツボりつつ、いや笑い事じゃないぞと、線香がいいとかタバコがいいとか必死に調べ。
結局その日の夜、義父がケビンさんのおなかのダニに線香の火を近づけたり、タバコの煙をかけたりしてみたけど全然効果がなかったと。
そして翌朝もダニは血を吸ってパンパンなままで、義母が出勤前に病院へ連れて行ったという。

その日の夜、どうしても気になった夫は、仕事帰りにひとり実家に寄った。
義父も義母もまだ仕事から帰っていない。
すると、お留守番をしてるケビンさんのお腹には、なんとまだいっぱいダニが!
すごい血吸われてると慌てた声で電話があり、再度朝の病院へ連れて行った夫。

そして受付で言われたのは、

「 あの〜、、朝もお母さんに言いましたけど、それ全部乳首ですよ。」


!!!!!!


なんと!!
親子三人まさかの同じ思い込みを!!!
昨日までもずっとそこにあった、二列に並んだ黒い乳首を!

そしてケビンさん、いきなり乳首を散々こねくり回された上に、最愛のパパに線香の火を近づけられるというとんだ災難!!笑



*****


今年のお盆にはね。
こんな思い出話をしながら、ケビンさんのいた夏に乾杯できたらいいな。

こんなおかしな思い出も生きた証、愛された証、愛した証。
何回話しても笑っちゃう。
そしてきっと、今回は笑いながら泣いちゃうだろうな。


もうすぐお盆が来る匂いがする。

みなさんもこの夏、ダニと乳首には注意してね!


#エッセイ #あの夏に乾杯 #犬 #愛犬 #お盆 #ダニ #夏の思い出

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