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べてるの家のオンラインマガジン「ホップステップだうん!」 Vol.284




・「子育て当事者研究」 文/写真:江連麻紀


先日、渋谷でこじんまりと集まって向谷地悦子さんと子育て当事者研究をしました。

気分体調からはじまって、それぞれの研究テーマをわかちあいました。

お母さんが安心したいから子どもに「べき」をするよね、という話しから

学校に行くべき

早起きするべき

時間通りにいくべき

べき、べき、べき・・・

子育てしていると「べき」はすぐ身近にいてべきに振り回されたり、べきでしんどくなったりしていました。

話しているとべきにも「道路は飛び出さないべき」など大事にするべきもあるし、

手放した方が生きやすくなるべきがあることがわかりました。

他者からのべきを自分にとっての大事にする「べき」かを確認していく作業が大切に思いました。

安心スイッチを多めに用意して子どもたちへのべきも気をつけていきたいです。

写真は餅つき大会に参加した息子です。

文/写真:江連麻紀
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●新刊「弱さの情報公開」NEW

2023年10月発売の最新書籍です。
2020年に発売しご好評をいただきました「弱さの研究」の続編。
不寛容な社会での孤立と孤独「つながり」を考える。

一部では、カーリング日本代表の吉田知那美選手とべてるの家の人や
向谷地生良氏との「強さと弱さ」についての対談。

二部では人と人の「つながり」を各章で考察、依存症、認知症の孤独について、本当の「つながる」ことの意味を考える。

<目次>
まえがき―「弱さの情報公開」の源流 
一部 弱さの情報公開
一章 弱さの情報公開 
二章 弱さを認める 
三章 行き当たりバッチリ 
二部 つながる
四章 わたしが「ダメ。ゼッタイ。」ではダメだと思う理由 
質疑応答 
五章 「認知症と繋がる」ということ 
六章 あいだは「愛だ」 
七章 地域と人と苦労で繋がって(向谷地生良氏最終講義) 

●大反響増刷中!
『子ども当事者研究 わたしの心の街にはおこるちゃんがいる』

本体価格:990円+税、出版社:コトノネ生活

● べてるの家の「2024年カレンダー」
2024年もべてるの家のオリジナルカレンダーが登場しました。べてるの仲間が大切にしている言葉とすずきゆうこさんの温かいイラストで2024年が良い年になりますように。

● べてるへの見学・お問い合わせ



・「北のバラバラな日々」(37) 笹渕乃梨

2024年はじめて自分に買った本は、グラフィックデザイナー・大原大次郎さんの『HAND BOOK 大原大次郎 Works&Process』でした。娘と行った本屋で偶然出会ったのでした。めずらしく夕食後に活動したせいで財布の紐がゆるんだのかもれないし、20代前半に入り浸ってたパルコブックセンター(札幌)の匂いを思い出させる本棚に気付かぬうちにタイムスリップしてしまったのかもしれない。理由はよくわからないけど(わたしにとって決して安くない)3800円の本を、気づけば会計してもらっていたのでした。

いま思えば20代、ヒマを持て余していたわたしは、芸術、美術、デザイン、写真にまつわる本に多めの時間を費やしていました。べつにアートやデザインを仕事にしているわけでもないのに。「なにやってんだろ」とすこし自分に呆れながら、でも本屋のその類の棚が並んでるフロアで一人で過ごすことをやめられませんでした。それは誰にも邪魔されない聖域のような時間で、そこでなら深く呼吸できるような気がしていました。洗練されたデザインや、シビれるような写真、だれにも真似できない絵を見ては、どうにも言語化できない嬉しい気持ちが体に充満するのでした。あの一見無為な時間はたしかに一銭も生み出さなかったけど、わたしの生きる力になっていたのかも。と思います。

その後わたしは、人生に行き詰まり、精神を病み、順調に病気に助けられ、出産し…とやってるうちにこの類の本たちとはすっかり疎遠になっていきました。代わりに自己啓発や、実用書、精神世界、メンタルヘルス、哲学っぽいこと、詩、誰かのエッセーばかり眺めて暮らしていました。こういう本はわたしに使いやすい知恵や知識を分けてくれ、生活を助けてくれます。はっきり言って便利。若い頃買い漁った美術書や写真集を開くことはトンと減っていました。でもたぶん、それはそれで満足していたのかもしれません。

なにせ便利だし。

が、ここに来て大原大次郎さんに出会って心のアンテナが何かをキャッチしています。ピピピピピピっと。これが何に発展していくのか、していかないのか皆目検討がつかないけれど、とにかくこの直感は大事にしてみようと思ってます。

なにがどう役にたつのか分からない道具が、ある日とつぜん自分を助けてくれるかもしれないし。そういう感じのなにかを感じています。

『アート成分多めの暮らし』も2024年のやりたいことリストに加えようと思います。

人生どうなることやら。

でもちょっとわくわくしてます。とほほ。

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笹渕乃梨(ささき・のり) 自己病名は『境界線ぐちゃぐちゃ症候群サトラレ型変化球言葉タイプ(現在は枯れている)』

北海道で小学生の娘と二人暮らしをしている。趣味はゆるめの野遊び、スキー、工作、手芸など。精神科のお医者につけてもらった病名はうつ病とADHD。現在は無脳薬で約3年。

「子ども当事者研究」、「子育て当事者研究」、「なさ親」などで活動中。22年4月より「nasaLAB(なさラボ)」のWebラジオ「つまり、きりがないラジオ」パーソナリティ。

「nasaLAB(なさラボ)」の登録はこちら↓



・続「技法以前」226 向谷地生良

明けまして、おめでとうございます。昨年は、パソコンのトラブルに振り回された年でした。7年使ったノートパソコン「レッツノート」が、クラウドと同期して、あっという間に容量が一杯になり機能停止するという現象への対応に時間を費やしている最中にPCが、突然、”臨終”となってしまいました。そろそろデータを保存する必要があると思っていた矢先の”悲劇”で、データの救出もできないまま今に至っています。

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