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潤いをもたらす「マジョラム」


ビールが美味しい。そんな季節。

汗をかいたから。たくさん働いたから。外で遊んだから。休みだから。

何かと理由をつけては飲みたいなのが冷えたビール。近年、多種多様なビールが身近で買えるようになって、ビールの楽しみ方も多様化しているようである。何年か前には依頼されブラックペッパーやレッドペッパー、フェンネルにコリアンダーやカルダモンなどを特別にブレンドしたスパイスミックスを作り、ビールに加えてみたところなかなか美味しかった。ピリッと喉あたりにくる感じがとても良かった。岡山ではコリアンダーを使ったビールを作ってくれていたり、チャイに使うスパイスを使ってビールを作ったところもあった。

コリアンダー、レモングラス、生姜、唐辛子などがビールを作るときによく使われるスパイスであるらしいが、今ではコーヒーやカカオ、山椒なども使われ本当に多種多様なビールがある。ビールが作られてきた歴史を遡ると何千年も前になるらしく、ピラミッドの中にもビール作りの工程がかいてあるのだとか。14世紀ごろにホップがよく使われるようになるまでは様々なハーブなども使っていたそうである。古代ギリシャでよく使われていた「マジョラム」もその一つである。

「山の喜び」という意味のマジョラムはリラックス効果、食欲増進、美肌効果などがあると言われ、オレガノほどクセがなく、鶏肉料理に使えば上品な香りに、レバーや魚などに使えば臭み消しにもなる万能なハーブでもある。トマト、チーズ、魚介類とも相性がよく、イタリア料理の仕上げに度々登場する。

マジョラムは初夏に先端に小さな白い花をつけ、その花言葉は「常に幸福」「恥じらい」「赤面」などがあり、古代ギリシャやローマでは純愛を象徴するとして結婚した新婚夫婦に送る花冠にも使われたそうである。まさに潤い、幸福、美味しさと沢山の幸せをもたらせてくれるハーブなのである。

緑が青々としてくる初夏、緩やかな山の傾斜に広がるマジョラムの花。幸せな香りは人々をリラックスさせ、マジョラムを使って作る料理は皆を笑顔にしてくれる。マジョラムの苦味が効いたビールは喉を潤し、会話を弾ませてくれる。

ハーブやスパイスの使われてきた歴史と料理をみていると不思議とそれぞれの花言葉や効能とリンクしてくるところがある。

暑い日に冷えたビールにマジョラム料理はきっと幸福な日常をもたらしくれるのであろう。

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