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【読書】アサーション入門 自分も相手も大切にする自己表現法

仕事では色々な依頼を受けますが、全て受けていたらこなしきれません。かといって断るのは気まずいということもあると思います。

そんなとき、相手を不快にさせずに断る方法があると聞きました。それがアサーションという方法です。

気になったので本を買って読んでみました。


アサーションとは?

アサーションとは自分も相手も大切にするコミュニケーション

本書のタイトルにもありますが、アサーションとは自分も相手も大切にする自己表現法です。

つまり自分の意見や考えを主張しつつも、相手の意見や考えも大事にするということです。

本書の最初には他人に働きかけられるかどうか、断れるかどうかという質問が出てきます。

続いて本書の中間あたりに一般論のような質問、例えば危険なことに出会ったらとか失敗したらなどが出てきます。ここでは主語が自分なのか、周りの人なのか、世間一般の人たちなのかで違うという話が出てきます。

大事なことは自分にも他人にもそれぞれ意見や都合があるということです。だから自分の都合だけ一方的に押し通してもダメだし、自分の本心と違う回答をすることもダメなのです。

自分の意見や都合を言いつつも、それを聞いた相手の反応に合わせた回答や対応をするわけです。そうしないと一方通行で相手を不快にさせてしまいますから。

ドラえもんで例える例が上手い

ドラえもんで例える話が出てくるのも上手いなと思います。

何かを要求されたら、のび太だったらとりあえず言われた通りにするけど愚痴を言ってそうですよね。

会社員は会社や上司の命令には逆らえないからと従いつつも、不満を感じて愚痴を言うという人が多いのではないでしょうか?

あるいは周りがみんなそうしているから、仕方なく自分も同じことをするというケースもあるでしょう。会社でも学校でも、周りと同じことをしないと空気を読めないとか自分勝手だと怒られてしまいますので。

ジャイアンだったら強引に自分の都合を押し通しそうですよね。取り上げたり脅して言うこと聞かせたりして。これはブラック企業やパワハラ上司のやり方です。

しずかちゃんが実は上手いのだそうです。誘われても習い事があるから今回はダメだけど次も誘ってねと。自分の都合を言いつつも相手を不快にさせないわけです。

アサーティブでないコミュニケーション

アサーションができている状態をアサーティブと呼びます。これとは逆に非アサーティブな自己表現が存在します。

非主張的自己表現

非主張的自己表現とは自分の意見を言わずに周りに合わせることを言います。

会社や上司の命令だから聞く、嫌いな人だけど機嫌を損ねながらごねるからとりあえず合わせてその場しのぎする、みんなと違うことをするのは気まずいなどが該当します。

これは自分を大切にしない自己表現です。

会社や上司の言いなりは社畜です。かと言って古い体質の会社で会社や上司に逆らうのは危険すぎますが。

嫌いな人は関わるなと言ってやるのも一つの手、みんなと同じことを我慢してやる必要もありません。

自分を大切にするためにも、自分の都合を言ってみた方がよいようです。ただし集団が集まる場で言うと空気が読めない人として角が立ちます。

仕事だったら上司、プライベートだったら所属集団のリーダー的な人に個別に相談する方が安全かもしれません。

攻撃的自己表現

自分の都合ばかり相手に一方的に押し付ける自己表現が攻撃的自己表現です。攻撃的自己表現はいわゆる俺様系とかオラオラ系、パワハラ系ですね。

人間は元来わがままな生き物なので、周りが自分の思い通りに動かないと腹が立つものです。そして怒って周りに言うことを聞かせようとします。

親子とか先生と生徒、先輩と後輩、上司と部下で特にこの関係が起こりやすいです。あるいは同級生とか同僚に対して、気軽に話せる立場だからとわがままを押し通そうとする人もいるでしょう。

このような人たちの被害に遭った方も少なくないでしょう。私も子どもの頃から何度も振り回されたことですし、新人の頃は昭和な体質の会社で散々被害に遭いました。

また本書によると社会人経験が長くなって、権力や役割が上がってくると、無意識のうちに攻撃的自己表現をしてしまうとのことです。気を付けないといけませんね。

非アサーティブな自己表現を強制する組織

本書を読んで私はふと気付きました。非アサーティブな自己表現を強制している組織が世の中には存在することにです。

それが昭和な体質の組織と体育会系の組織です。

どちらも上の命令は絶対です。上意下達で口答えは許されません。自分の意見を言うなんて言語同断です。黙って言うことを聞けの世界です。

昭和の会社なら上司の言うことが黒なら白も黒になります。体育会系の組織なら先輩の言うことが黒なら白も黒になります。

このように上が一方的に下に攻撃的自己表現をしています。同時に下は上に対して非主張的自己表現をすることが求められます。そうでなければ常識がなっていないと説教されてしまいます。

また昭和な体質の組織では同調圧力が働き、みんなと一緒であることを要求されます。

みんなと違うことをやったり、みんなと違う意見を言ったりすることは非常識と怒られます。黙ってみんなと同じことをしなければいけないのです。

私は自分がやりたいことを大事にしたいタイプですので、昭和な体質の組織ではボコボコに怒られまくりました。それこそ毎日怒りを買って毎日怒鳴られました。

みんなと一緒文化は集団が個々人に対して非主張的自己表現を求めると同時に、集団は個々人に対して攻撃的自己表現を実行します。

段々と多様性の時代になってきているので、新しい考えの会社に転職すれば、このような昭和な体質や体育会系に苦しめられなくて済みます。このような会社を反面教師にすれば、アサーションも解りやすいと思います。

自分をアサーティブにして周囲をアサーティブにする

まずは自分が自分の意見や都合を主張してみることが大事です。それと同時に相手の意見や都合を聞くようにすることです。

自分の都合を言うと、相手によっては怒るかもしれません。昭和な体質とか体育会系、俺様な人はいるものですから。こういう人はまともに相手にしないしかないでしょう。

しかし大多数の真っ当な人なら、意外と自分の意見を言っても大丈夫でしょう。

まずは自分からアサーションを実行して、周りに働きかけていくことが大事ですね。

多様性とか自由を尊重している集団、つまり新しい考えの職場やサークル的なコミュニティでは、意外とアサーションが成立しています。アサーティブな自己表現が普通なんですね。

会社では私用があるから有休を取る、サークルでは今回は都合が悪いからイベントを欠席するなどです。

これを自分から主張しつつも、相手がやっても咎めないことです。昭和な体質だったら甘やかしているという扱いになると思いますが、そういう根性論は非アサーティブです。

だから自分も周りもアサーティブであるようにしていくこと、非アサーティブな人と付き合うのは避け、アサーティブな人と付き合うなどをしていくのもいいのでしょう。

終わりに

私は自由な社風の会社を渡り歩いてきましたし、サークルも学生時代からやっていて、社会人になってからも社会人サークルに所属してきました。

それゆえアサーションのような自分の都合も相手の都合もそれぞれあるんだという考えのコミュニケーションは普通だと思っていました。

しかし家庭とか学校、体育会系、昭和な体質の会社という場所はそれを許しませんでした。上の命令は絶対、周りに合わせろなわけですね。

そう考えるとアサーティブと非アサーティブの両方を経験してきたんだなぁと。

人間関係を円滑かつ快適に進めるためには、アサーションを実践していきましょう。

最後に宣伝です。アサーションを使って仕事を断る方法についてブログを書きました。アサーションを仕事に活かしたい方や、もっと詳しく知りたい方は読んでみてください。


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