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顧客の価値を考えよう!ドリルを売るには穴を売れ?

「マーケティングって何から始めればいいか分からない…」

マーケティングを学び始めたばかりで、何から手を付ければいいのかが分からず、いつの間にか頭の上に「?」が飛び交っていませんか?

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かつての自分もそうでしたが、マーケティングを学び始めて間もない大学生や社会人にとって、最初のハードルがとてつもなく高いです…

そのため、マーケティングに関する本質を捉えてからでないと次のステップを踏み出せず、泥沼にハマってしまいます。

マーケティングを学び始めて日が浅い方は「そもそもマーケティングって何?」と感じておられるのではないでしょうか。

そんな方にオススメなのが、「ドリルを売るには穴を売れ」です!!!

マーケティング関連の本は難解なものが多く、読み進めるのが苦痛になりますよね。しかし、本書はストーリー形式で展開されているため頭の中にスッと入ってくる上に、マーケティングの本質的な要素がたくさん盛り込まれています。

マーケティングの本質を突いた一冊である「ドリルを売るには穴を売れ」で学べる理論は大きく分けて以下の4つがあります。

①ベネフィット

②セグメンテーションとターゲティング

③差別化

④4P

今回は、マーケティングの導入部分として重要で、マーケティングという概念を捉えるために絶対に知っておかなければならない理論である

①ベネフィット②セグメンテーションとターゲティングを分かりやすく解説していきます!

マーケティングを学び始めたばかりで、右も左も分からないとお困りの方は是非ご一読ください!!!

①ベネフィット

まず、あなたは工具用のドリルを販売しているホームセンターの店長です。ドリルの販売者である店長の気持ちになって、「ドリルを販売する」ための目的について考えてみてください。

「売り上げを上げるために、ドリルを売ろう」と考えませんでしたか?

それとも「お客さんのために、ドリルを売ろう」と考えましたか?

実は意外かもしれませんが、自分が売り手側に立った場合、

「ドリルを買いたい」と考えているお客さんの視点を忘れてしまうことが、往々にしてあります。

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マーケティング視点で顧客に販売を促すためには、ベネフィットを考えなければなりません。

ベネフィットとは【顧客にとっての価値】を示しており、売り手側はお客さんにとっての価値が何なのかを見極める必要があります。

そのため、お客さんはドリルではなく「穴を空けること」自体に価値を感じており、ホームセンターの店長は「穴を空ける道具としてのドリル」を売っていると言えます。

つまり、お客さんは「穴を空けるために」ドリルを求めているのではなく「穴を空けられる道具」であれば何でもいいのです。

そのため、「顧客にとって価値」を感じられる物を売り、対価をいただくという仕組みこそが、マーケティングの本質です。

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また、「穴を空けたい」お客さんは、お金や時間など自分が支払う対価以上の価値が高いものを求めます。

・顧客が支払う価値<顧客が得られる価値

例えば、「穴を空けたい」お客さんがDIYが得意な人を代行サービスで見つけたとします。ドリルをわざわざホームセンターに買いにいくよりも、代行サービスで穴を空けてもらったほうが、お金がかからない場合

「DIYが得意な人に穴を空けてもらおう!」

と考えるはずです。

つまり、ドリルを販売している店長の競合相手は、ほかの競合店舗やネット販売店だけでなく、DIYが得意な人も対抗馬となり得るのです。

「穴を空ける手段としてのドリル」をお客さんに買ってもらうためには、

お客さんが何のために穴を空けたいのかという課題に向き合い、目的に沿った提案を行うことで「顧客が得られる価値」自体を上げる必要があります。

また、クーポンを配布して割引を行うなど、安く手軽にドリルを利用できる購買環境を構築することで、「顧客が支払う対価」を下げるマーケティング活動が必要となります。

どちらにせよ、顧客が求めている価値を捉えたうえで、

顧客が支払う価値<顧客が得られる価値

という関係性を成り立たせる必要があります。

②セグメンテーションとターゲティング

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また、人や会社によって求めている価値は、それぞれ異なります。

そのため、お客さんの求めている価値の違いを捉えるためには、

以下の3つの流れで、顧客を分けながら絞ることが必要となります。

・セグメンテーション=顧客を分けること

・セグメント=分けられた顧客のグループ

・ターゲット=セグメントの中からアプローチをかける対象

1.セグメンテーションの分け方

・人口統計的セグメンテーション

性別・年齢・居住地など人口統計的な観点から分けるセグメンテーションのことを指し、明確に分けやすいことがメリットです。

例えば、「20代・男性・東京住み」というように、市場調査などで個人顧客の属性を分類する時に用いられたりします。

・心理的セグメンテーション

人の心理や行動に焦点を当て、商品の普及過程を示すことができるセグメンテーションのことで、以下の5つに分類されます。

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引用:イノベーター理論とは?5つのタイプと具体例を解説!

革新者(イノベーター):一番最初に発見して使う人

初期採用者(アーリーアダプター):普及する前に使う人

アーリーマジョリティ:普及し始めたときに使う人

レイトマジョリティ:普及したのを確認してから使う人

遅滞者(ラガード):乗り遅れる人・使わない人

・2つのセグメンテーションを組み合わせる

セグメンテーションはいくつか存在するのですが、今回ご紹介した人口統計的セグメンテーションと心理的セグメンテーションを活用するのが理想的です。

例えば、以下のようにセグメンテーションしたとします。

「20代の女性/独身/流行に敏感(アーリーアダプター)」

「SNSで情報収集を頻繁にしているので、美容コスメの新商品が発売した時に、Instagramで20代女性に圧倒的な支持を得ているインフルエンサーが化粧品紹介のプロモーションを行うと、購入と同時に拡散してもらいやすい。」

このように、年齢層や性別に共通しやすい心理的な行動を判断できれば、人口統計的セグメンテーションと心理的セグメンテーションをつなぎ合わせることができます。

そして、このグルーピングにより、自社が最も価値を提供していきたいを発見することができるのです。

2.ターゲットに狙いをつける

セグメンテーションを分けることができたら、次に狙うべきターゲットを絞る必要があります。

ターゲットを選ぶ基準として以下の3つがあります。

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①市場の大きさ

先ほど、「顧客が支払う価値<顧客が得られる価値」と紹介しましたが、ある程度の需要がなければビジネスとして成立しません。

例えば、少数のお客さんのためにマニアックな商品を販売してしまうと採算が取れないばかりか、その苦労も水の泡となる可能性が高いです。

そのため、ターゲットとなるセグメントが、「ある程度お金を持っていて、支払う意思があるのかどうか」がポイントとなり、そこに焦点を当てアプローチをかけなければなりません。

②競争度合と自社の強み

先ほど例に出した「20代の女性/独身/流行に敏感(アーリーアダプター)」がターゲットとなる、ファッション業界では日々熾烈な争いが繰り広げられています。

ファッション業界のようなライバルが多い場所で戦うのではなく、

開発力や顧客サービスなどの「自社の強みがどう生きる領域」を考え、

自社が優位に戦える場所で戦うべきです。

③価値の必要度

保有している商品やサービスが提供している「顧客にとっての価値」

心から必要としている人にアプローチをかけることも大切です。

「時間を節約したい」と考えている人は、UberEatsや家事代行サービスなどの時短サービスを求めています。

そのため、UberEatsや家事代行サービスのターゲットは、「共働きの家庭」や「独身で多忙なサラリーマン」となります。

3.セグメンテーションとターゲティングとは結局?

人が求めている価値はそれぞれ異なるため、誰に価値を提供すればいいのか知る必要があります。

「セグメンテーションとターゲティング」の理論を活用すると、

①統計など数字で分析できる情報②人間の心理・行動といった情報

組み合わせるができ、価値を提供したい相手の特定も可能です。

これらのプロセスを通じて、やっと行動に移してもらうための施策を考えることができます。

まとめ

今回のnoteで一番言いたいことは、

マーケティングの本質とは、「顧客にとって価値」を感じられる物を売り、対価をいただくという仕組みを構築することです。

今回ご紹介した「ベネフィット」「セグメンテーションとターゲティング」という理論は、マーケティング施策を展開するための根幹を成す考え方であり、これを知っておかなければ次のステップに進めません。

スポーツと同様にマーケティングでも、基礎の本質的な考え方を捉えた上で、日々実践を繰り返していくことが上達への近道となります。

「ドリルを売るには穴を売れ」は、マーケティングを学ぶ上で重要な考えが詰まっているオススメの本です。

「マーケティングをこれから学んでいきたい!」という方は、ぜひ一度読んでみて下さい!!!





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