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Amazonでレビューしたものです。
発達障害の診断基準から鑑別疾患、併存疾患、小児期の発達段階に薬物治療と、とても幅広い内容を詳しく解説されています。
しかも、実際に東大病院で行われている発達障害の検査について、詳しい紹介がなされていました。
WAIS-Ⅲでは、「言語理解の得点が高く、処理速度の得点が低い結果が成人のASDの方に見られる共通の特徴」だそうです。
また併存疾患への検査も紹介されています。
ただ、検査については、行う心理士さんが自らもトレーニングして習熟する必要があるが指導者がいなかったり、検査キットが高額だったりしてどこでもどんな検査でもできるというわけではありません。その辺の普及が課題かなと思います。
発達歴の聴取についてでは、具体的な方法が示されていました。
発達の時期に分けて順をおって聴取しましょうというもので、0−1歳半、1歳半ー3歳、3−6歳、小学校、中高生に分けて聴取をしようというものです。
ただ、実際は成人の場合は、成人のみのことが多く、だいたいみんな覚えていないです。なかなか親までは来てくれない。
さらに、指さしの状態や最初のことばまで詳しく聞こうとすると、そこまでじっくり聞く時間もないんですよね。
この本を元に、発達障害を疑って受診する場合にまとめておくリストなどができると良いなと思いました。