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『リトル・マーメイド』

ケアンズ成田のジェットスター便の中で視聴。できれば寝たいと思っていたが、子どもが元気に隣で機内エンターテイメントゲームをしていたので、なんとなくおつきあい笑

ちなみに、機内では英語しりとりやろうと言われ、意外と多くの単語を知っていることも発見。LとRを勘違いしていたり、途中のスペルは分からなかったりしていたけど、大枠では合ってたよ、うん!

さて、最近アンデルセンの「人魚」を図書館で借りてきて、あらすじを答え合わせしてみたが、(確認するまでもなく)結末が変わっていた。(後半途中から変わっていた)

映画の方はハリウッド的な、気持ちの良い勧善懲悪。さすがハリウッド。こうでなくっちゃ悲しい。こんな結末の人魚姫を待っている方もきっとたくさんいるはず。(ディズニーでした)

俳優陣も素晴らしかった。主人公を演じた女優は、どことなくデビューしたばかりの安室奈美恵を彷彿とさせ、ほっそりとした、若々しい魅力にあふれていた。

原作の結末をどのように表現するのかしら。やっぱり悲しいのかな。主人公の人魚姫アリシアには王子様と結ばれて欲しい…と思っていただけに逆に結ばれて涙が出てくる。(ネタバレすみません)

映像も素敵でした。海の中も、人間界も。空も。

でも、詩的さ、という点ではやはり原作に軍配を上げたい。

今回原作を手にとり、読んで2、3行で一回本を閉じました。

(私が素敵な本を見つけた時によくあるパターン。知るか、って感じですが笑)

2、3行でワクワクしすぎて、今読むのはやめておこう。こんなにザワザワしたところではなくて、お休みの日に、誰もいない時に音楽も携帯もオフにしてじっくり味わわなければ!ということでじっくり味わった。

言葉や単語が連なることによるきらびやかなイメージの世界が立ち現れ。

はー、大満足。

やっぱり泡と消えるからこそ詩情があるんだなぁ…

現代的な勧善懲悪もいいし、そうでなくっちゃディズニーじゃないんだけどね。

訳者の解説によると、絵本作家アンデルセンは失恋続きで女性には幻滅していたとのこと。失敗は成功の母ともいいますが、苦境がこのような素晴らしい作品を産んだのかもしれないですね。

『賢者の贈りもの』に続き、贈るとか、犠牲を払う、とか、献身する、とか自己犠牲とかのテーマについて最近もの思うところがあるので、この映画作品も前のめりで鑑賞できました。

そして素敵な文学作品にまた一つ出会えたのも、嬉しい限りです。

『リトル・マーメイド』ロブ・マーシャル監督 ハリー・ベイリー、ジョナ・ハウアー=キング、メリッサ・マッカーシー、ハビエル・バルデム出演 ウォルト・ディズニー・カンパニー 2023年6月9日劇場公開   

「人魚姫」(『マッチ売りの少女/人魚姫』(アンデルセン傑作集)より)  アンデルセン著 天沼春樹訳 新潮文庫 2015年

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