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短歌・五七五詩

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#祈り

七夕の
嵩を増したる
川の辺に
鎮めたまえと
星を呼ぶひと



この頃は、梅雨の風情、七夕の情緒を楽しむことができないほど、災害が増えてしまいました。

秋雨なら、静かに味わえるかしら。

8月9日|長崎原爆忌

8月9日|長崎原爆忌

◇土屋竹雨『原爆行』◇
今日は長崎の原爆忌。
大正&昭和期の漢詩人・土屋竹雨の『原爆行』を読んでいます。

怪光一線下蒼旻 
忽然地震天日昏 

  怪光一線 蒼旻(そうびん)より下る
  忽然 地震い天日昏し

(NHKテキスト「カルチャーラジオ 漢詩をよむ」より)

全20句のうちの冒頭2句です。
広陵と崎陽(※)における惨禍を、漢詩らしいきわめて硬質な筆致で鋭く描いています。
(※)広島と長

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光あれ|短歌

光あれ|短歌

光あれ
朝顔が云う
その青は
あくがれ明かす
朝(あした)の祈り

あくがる(憧る):
 魂が身を離れる。ぼんやりする。
 →現代語の「あこがれる」に転じる
明かす:夜の明けるのを待つ

* * *
朝顔は、日没の10時間後に開花する...
と聞いてから、
朝顔がますます愛おしくなりました。

朝がきたから咲く...のではなく、
暗闇の中で時を数えて咲くのですね。

そしてもうひとつ。
全体のつ

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