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休暇は徹底的に遊ぶオーストラリアの大学生。じゃなきゃ、やってられないのです


オーストラリアにもうつは蔓延している

自分が暮らしていたオーストラリアは、面積ならだいたい日本の20倍もあるのに人口は日本の約1/6程度。

広々してのんびりとした国です。

でも、精神疾患を経験する人は年間で5、6人にひとり(人口の20%)と少なくないのです。

コアラがのんびり昼寝をしカンガルーが裏山で跳ねているような自然に溢れ、休日はBBQして家族とホリデーのことばっかり考えている呑気な国民性、というイメージは私が見る限りそう間違っていないなという感じ。

でも、だからってみんなストレスないわけじゃないのです。
それくらい、なにをもってストレスと感じるかは人それぞれなのですね。

うつとは、放出されないままのいろんなストレスの蓄積が、精神的肉体的な限界まで追い詰めてゆく果てにある状態です。

小さな違和感やストレスをうまく放出できるかどうかが肝ならば、その辺りの匙加減のあるなしに日本もオーストラリアもないということなのでしょう。

オーストラリアの田舎ではカンガルーを見るのは難しくありません

テストと提出物に追われる毎日

昔自分が働いていた自然療法クリニックは、シドニー中心部の大学街に位置していたせいか、学生のクライアント数が多かったのです。

学期末の試験前になると、ストレスハーブのミックスを作って欲しいという依頼が増えて忙しくなっていたなあと懐かしく思い出します。

オーストラリアでは義務教育こそのんびりしているのに、高校ぐらいから大学入学共通試験に向けてアカデミックな要求がいきなり上がるため、勉強と試験に対するストレスを今までにないくらい感じる生徒が急増します。

大学でのスケジュールも当然のことながら、試験と提出物のデッドラインがせめぎあい、常に追われている感とともに学生生活を送るのは、自分が大学生だった頃も今もまったく変わっていません。

(だから、オーストラリアの学生は休み中はバイトをしながらも徹底的に遊びまくります。またストレス全開の学校へ戻る準備をするわけですよ。)

シドニーの私立高校や大学でスクールカウンセラーをしている友人たちは、毎日のように個別対応に追われていて、学業以外にそれぞれが抱えることで一杯一杯になってしまう生徒たちを見ています。
自傷などシリアスなケースもあったりすると言っていました。

見ているだけなら綺麗で素敵なシドニー大学、中はストレスでいっぱい

SNS疲れはオーストラリアの子供達の間にも

最近ではSNSによる人間関係の疲れが顕著に見れるそうで、日本だけではなくオーストラリアでも同様に、苦しむ子どもたちが増えているとのことです。

先の友人は、スクールカウンセラーとしては使用制限のアドバイスまではできても、実際どうするかはその家族によるので、どうにもできないことも多く、対応に悩む問題なのだそうです。

アナログな休暇でSNSストレスをリセット

周りを見ていると、学童期の子供を持つオーストラリアに住む友人たちは、お休み中はタブレットやスマホ利用を子どもたちに制限をかけるかわりに、キャンプや旅行で自然の中に連れてゆき、思いっきりアナログな遊びに浸からせるということをしています。

スマホが自由に使えないことで一時的に抗議しても、無きゃないで済む暮らしに慣れた途端、それまで家族にぶつけていたイライラなど負の感情はあっさり影を潜め、子供達の個性や本来の性質の良いところをちゃんと見せるようになるということです。

かくいう私も休みは海や山でストレス発散しました!写真はNSWのボンダイビーチ

うまくいかなくてもトライする

ある友人はシングルマザーで一人娘を育てるなか、SNSの人間関係でストレスを抱え悩む13歳の娘に、相談に乗ったり使用制限を設けたりできるだけのことをしています。

娘が父親と過ごす週末にはスマホの使用制限はないので、帰宅するたび元の木阿弥になるので、ちょっと悩んでいたことがあるそうです。

彼の家庭では、新しいパートナーとの間に生まれたばかりの妹もおり、週に二日だけ過ごす、ローティーンの娘のメンタルのニーズに応えられていないのではと感じていたそう。

友人は娘の父親も交えて3人でよく話し合い、スマホ利用の制限を娘自身に決めさせ、どちらの家に行っても共通の約束にすることにしました。

子供にとっては自分で決めた約束なんだし、どっちの親に泣きついても無駄、というわけです。

自分が決めたことを実行できるメンタルスタミナが培われるよう、子供をサポートできたらいいけど、子供が大人になる時期のサポートって難しいなあとしみじみ言っていました。
激しく同意です。

友達の子供6歳とイースターのクラフトしました。勉強のストレスなんかまだない!
子供時代はアナログな遊びをいっぱいするといいですね。

プチうつは脱却できる

でもねえ、そうやって自分が大変な時に支えてくれた家族の存在って大きいと思うのですよ。ありがたいなあと思える気持ちを持てたら、プチうつになってもきっと脱却できると信じたい。

自分にたまに言ってやること、いくつか。

仕事や勉強をやるときはやる、そして遊ぶときも徹底的に遊んで発散する。
SNSで悩んだら、直に向き合う人間関係に立ちかえる。
ちゃんと顔を見て話してみる。
自分にとって大切な人を大切に、人間関係は優先順位をつけていい。
自分が誰かの優先順位の下の方になることもあるかもしれないけれど、それも人生と割り切る。

自分の気持ちを大切に。
今日も良い1日になるようにいきましょう!



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