ごはんのことに思いを馳せるのが得意なひと。 noteはあたしのいちばん小さな宇宙。 A…

ごはんのことに思いを馳せるのが得意なひと。 noteはあたしのいちばん小さな宇宙。 Adobe Frescoで描いた食べ物のイラストとともに食のエッセイを書いてます。 自然豊かな地方の街で闘病しながらおうちでお仕事をしています。FCAJ食のイベント・メディア分野持ってます。

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  • ごはんドロップス

    ごはんの奥にあるストーリーを、ごはんのイラストとともに書きためていきます。

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    じぶんのなかでぐるぐるうずまくことや、あたまの中のドラマを貯蔵してます。

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すべてのはじまりはトマトソース

 くつくつ、こぽこぽ。ふたをずらした鍋からときおり聞こえるオノマトペ。あたしは木べらでぐるぐるっと鍋底からかき混ぜる。ふわんといい香り。あともう少しこのまま。10分のタイマーをかける。あと10分でうちのトマトソースのできあがり。 * * *  あたしは定期的にトマトソースを作る。たくさん作ってあれやこれやと美味しく食べる。パスタもたまごもお肉もごはんもなんでも相性バツグン。あの赤を見て美味しいを想像しない人なんているのかな。  包丁の腹に体重をかけてどんっとつぶしたにん

    • 書きたい気持ちはおちゃわんやまもりにあるのに、書くというハラを決められない。でも書きたいの。‥とはじめてのつぶやき。

      • ごはんのことだけ考えて暮らしたい

         夏野菜、といえば一番最初にあたまに浮かぶのがトマト。つやつやぴっかぴかで真っ赤っていうか朱の混じった赤い実のまるいあいつ。  暑くなってきてから2日か3日に1回はトマトを使った料理をしてる気がする。やっと8月も下旬。まだまだザ・真夏の真っ只中。食欲も失せるうだる残暑なまいにち。今日はフードエッセイとともに夏野菜代表のトマトを使った我が家定番ごはんのざっくりレシピもいくつか書いてみようかな。 * * *  実は割と最近まで生のトマトはかなり苦手だった。トマトの嫌いな理由に

        • もものかおりにつつまれたなら

           ももが好きだ。いろ、かたち、かおり、口に含んだときのうっとりするようなとろける舌ざわり。ももが嫌いな人なんてあたしの人生で出会ったことなんて多分いないんじゃないかな。そのくらいみんなきっとももが好き。 * * *  この季節になるとスーパーの店頭にまあまあの値段でももが並び始める。出始めの頃はふたつで千円近い価格とかあたりまえ。「待ってました!」と、ももが大好きなあたしは今でこそ躊躇なく買っちゃうけれど、ひとり暮らしの頃はそんな高価な果物を買うという行為に「贅沢はよくな

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        すべてのはじまりはトマトソース

        • 書きたい気持ちはおちゃわんやまもりにあるのに、書くというハラを決められない。でも書きたいの。‥とはじめてのつぶやき。

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          逃げるな、あたし

           2022年の夏、始めたことがある。詳しいことは割愛するけど、まいにちまいにち「ダメだなぁ‥なんでこうなるのかなぁ‥」と、なかなかなダメージを食らっている。夏からずっと自分の中の自分と向き合って戦って学んで乗り越えてを何度も繰り返した。そしてそれは今も続いている。  なかなかnoteを書けなかった。怖くて。この半年、本当の自分を自分で暴いて、奥底にある根底の部分の本当にしょーもない全然ダメな自分を見てきたから、そんな自分に何が書けるのだ?と、自分で自分を冷ややかに見つめたら

          逃げるな、あたし

          食のエッセイ「ごはんドロップス」を書く理由

           あのとっておきのお塩とそこにレモンをしぼると美味しいんだよなぁ。テレビに映るサシの入った高級そうなお肉を見ながら、表面をじゅっと焼くところを想像しながらつぶやく。  いただいた朝採れのとうもろこしを見た瞬間、ごはんにするかそれとも片栗粉をまぶして油でさっと揚げて食べるかで目をぎゅっと瞑って苦悩する。  やっぱり食べることって究極の癒やしだなぁ、と心から思う。  あたしのあたまの中は結構いつも食に関することや食べ物であふれている。そもそもの食いしん坊さとともに食に異常に

          食のエッセイ「ごはんドロップス」を書く理由

          美しく燃える森

           森の木々。川のせせらぎ、そのみなも。きらきら露に濡れる草の葉。しっとりと湿った大地。そこに吹き抜ける心地よい風。風にゆれる深いグリーンの葉。葉っぱのすきまから差し込むヒカリ。  ‥はだしのあたし。みどりのなかで両手を広げて大きく息を吸いこむ。 * * *  あたしは暑さに弱い。暑いというだけでやる気の半分が持ってかれる。どれだけ自分の好きなことをやろうと思ってたとしても。そんななか本格的な夏がとうとうやってきてしまった。あたしのキライな「ザ・夏!」。  あぁ早く寒く

          美しく燃える森

          めくるめく癒やしのおにぎり

          あたしにとっておにぎりは癒やし。 そのフォルム、ちょうどいいかたさのお米の食感。 ひとくちほおばったとき、つい目が細くなる幸福感。 ほんのりの塩加減と入っている具材とのハーモニー。 * * *  子どものころからお米が好きだった。全然裕福じゃなくてむしろ貧乏だったけど、ありがたいことにお米だけはずっと祖父の作る美味しいコシヒカリを食べて育ったからお米に関しては舌は肥えてるかもえへん!なんて言えるほど無駄に自信がある。つやつやぴかぴかの炊きたてのごはんを見るだけで「きゅうん

          めくるめく癒やしのおにぎり

          ひとはいつも無意識に気持ちいいを求める

           あたしはまた思い知った。自分はほんっとうにまだまだだなぁ‥と。そしてまたあたしはごにょごにょと手帳とともにひとり脳内会議を繰り広げる。毎朝の手帳time、脳内の排出をするタイミングで反芻して反省する。  もうずっとこの言葉が、今のあたしのどまんなかに刺さって床に縫われて動けず心から離れない。突然の海外ドラマからの引用だけど、こんなふうにふと目にする耳にする言葉って、今の自分に究極に必要だったりするから本当にびっくりする。 * * *  人に頼られること、頼られて求めら

          ひとはいつも無意識に気持ちいいを求める

          あたしは今日も続けるを続けていく。

           むかしはわりと三日坊主だった。あっと思いついてふらりと始めて1週間もしないうちに熱が冷める。そしてまた別のものに目を輝かせる。この繰り返し。若さゆえの旺盛な好奇心のせいだったかもしれない。でも今は三日坊主じゃない。あんなにすぐに飽きてしまってたのに。  そんなふうに長年ずぅーっと三日坊主をやってきたあたしなので、自分は飽き性で物事が続かないひとだ、継続することが苦手なんだと思っていた。でも最近、あたしは意外と継続できるひとなんじゃないかなと思い始めている。今のあたしは毎朝

          あたしは今日も続けるを続けていく。

          自分の世界を生きていく

           満月の月曜日。なんだかスコンと抜けたような気がした。それまでおなじところをぐるぐる歩き回っていた感覚だったのに。足を棒にして。  あたしは人の顔をすぐに見てしまうクセがある。  ここ1ヶ月ずっと考えていた。自分のことであってもすぐ人の顔を見てしまう。人の顔を見る、つまり顔色をうかがうのだ。なぜあたしは人の顔色をうかがうんだろう?人が喜ぶことを先回りして言ったりするんだろう?すぐに人と比べて自分は〜〜だから‥と勝手に判断して自分のこころに折り合いをつけるんだろう?  小

          自分の世界を生きていく

          赤いごはん

          こどもの頃大好きだった赤いごはん。 赤いごはんとはつまりはケチャップライス。 あまくて香ばしくてちょっと酸っぱい。 赤いごはんがあれば他になーんにもいらない。 * * *  まだ社宅に住んでいた小さい頃、我が家は本当に貧乏で、父の給料日が近づくにつれ決まって野菜オンリーな食卓になった。3人きょうだいの長女だったあたし。当時のあたしは我が家が貧乏だとはあまりピンときてなかった。子どもだったおかげ、というのか、それをなんとも思わなかったし、人のおうちの食卓事情と我が家のそれと

          赤いごはん

          書きたい書きたい、のきもち

           好きな作家さんの本をちらりと立ち読みして、あたしもやっぱり書きたいなぁと思った。  尊敬する大好きなミュージシャンの歌詞を読むたび、あたしも思いをたらふく書きたいなぁと思った。  まいにちあたまのなかに浮かんでは消えるあぶくのようなアレやコレや。それらをすべて書き記しておきたい、いつもそう思っている。そう、もうずっと昔からそう思い続けている。  思ってばかりで何もしていないあたしを「またか」と冷たい目で見下ろすもうひとりのあたし。いつものあたし。 *    *    *

          書きたい書きたい、のきもち

          アンビバレンスの雨

           雨の日は好き。出かけなくてもいいから。太陽のヒカリはとても魅力的で、うちのなかにこもっていることにうしろめたさを感じてしまう。うちにいるのがもったいないと思わせられてしまう。  出かけない、ということはうちで自分の思うままに過ごすことができる。お気に入りの万年筆で大好きな手帳を書ける。読みたかった本が落ち着いて読める。サブスクでふらりと気になっていた映画を観ることができる。ぼんやりとベランダから水たまりの波紋をながめていられる。自分の身体とこころにちゃあんと向き合える。

          アンビバレンスの雨