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1minute七十二候 桃始笑(ももはじめてさく)

啓蟄<次候>
3月10日から3月14日頃

春の訪れと共に、私たちの周りは色とりどりの花々で彩られます。特に目を惹くのが、桃の花の優雅な開花です。桃の花が開く様子は、かつて「笑う」と表現されたほど、その美しさには人々の心を和ませる力があります。桃の花のピンクや白の鮮やかな色合いは、見る者に春の訪れを実感させてくれるだけでなく、その花言葉に込められた意味は、私たちにさらなる魅力を教えてくれます。

桃には「私はあなたのとりこ」「チャーミング」「気立てのよさ」「天下無敵」など様々な花言葉があります。「天下無敵」という花言葉は、桃が邪気を払い、幸福をもたらすという信仰からで、このような信仰は、イザナギノミコトが悪鬼に桃を投げつけて退散させたという古事記の逸話から来ているものです。

春は新しい始まりの季節としても知られていますが、桃の花が開花するこの時期は、特に心新たにするのに適した時です。環境の変化に疲れたり、何か新しいことを始めるのに躊躇している時には、桃の花のように自分自身を開放し、新たな可能性に向かって笑顔で進んでみるのはいかがでしょうか。桃の花が教えてくれるのは、美しさの中に隠された強さと、周囲を明るく照らす力です。

また春と言えば、ピクニックも欠かせないイベントの一つ。3月13日はサンドイッチの日としても知られているのをご存知でしょうか?
外で食べるサンドイッチは、春のピクニックを彩る定番の食べ物。サンドイッチ伯爵の逸話から生まれたこの日は、食文化にも春の訪れを告げます。カツサンドのように、日本で生まれた独自のサンドイッチもまた、春の楽しみの一つとして数えられますね。

桃の花からサンドイッチに至るまで、春は新しい始まりと共に、多くの魅力があふれる季節です。美しさだけでなく、背後にある歴史や文化、そして食文化との関連も含め、春は私たちにとって多くの意味を持つ季節です。
この時期には、ぜひ一度立ち止まって、周囲の自然や文化をじっくりと観察してみることをおすすめします。春の訪れと共に、新しい発見や感動が待っているかもしれません。

七十二候ってなに?
日本には一年を24に分けた二十四節気(にじゅうしせっき)と、さらにその二十四節気を3つずつ合計72に分けた七十二候(しちじゅうにこう)という季節があります。
七十二候は鳥や虫、植物、天候などの様子で季節を表現しており、細やかな自然の移ろいを感じることができます。 骨董・アンティークバイヤーとして活躍する傍ら「古き良きものの美しさや、ものを大切に使うことの楽しみ」もご紹介中。 ここでは ゆとりある心づくりのヒントとして、季節の話題を記しています。

What is 72 micro seasons?
In Japan, nature's rhythmic seasons are deeply cherished, inspiring a fascination with the mesmerizing 72 micro seasons. Unlike traditional divisions of four or six seasons, these micro seasons paint a vivid picture of nature's transitions with astonishing precision. Imagine the thrill of witnessing the delicate blooming of specific flowers, the graceful arrival of migratory birds, the tantalizing ripening of certain fruits, or even the intriguing behaviors of animals. This admiration cultivates heightened awareness of the surrounding world, immersing individuals in the mesmerizing beauty and rhythmic harmony of nature's ever-changing tapestry.


written by Yuuki Usami-Nakamoto © antique blue Parrot Co.,Ltd.


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