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ASDにはタイプがあることに気付けて楽になる。

私は、知的な遅れはなく、ギフテッドでもないADHD+受動型ASDの子と、ADHD+LDの子を持つ2児の父です。子供達に【二次障害】が起きたとき、親として思考停止せず最善を尽くせるように、日々起こる事の整理も兼ねて書いています。

さて、今回は、ASDにもタイプがあることと、私がカサンドラから回復できた理由を書いていきます。前回と重複する部分もありますが、上の子に対する躾が「叱る」から「怒る」に変わった時系列から綴ります。
 
上の子の困りごとは、家庭生活のみで、学校では問題がなかったため、中学に入るまで、心療内科に足を運ぶことはありませんでした。性格は大人しいものの、気の合う友人もいて、成績は真ん中、運動神経も悪くなく、係の仕事もきちんとするため、小学校の先生から日頃の行動面で指摘、注意を受けることはありませんでした。
 
が、家庭は違いました。

浪費癖、片付け、勉強の先送り、挨拶、自己主張などコミュニケーションの苦手さに手を焼いていました。どれも発達障害の特性に当てはまりそうですが、『上の子はもしかしたらグレーゾーンなんじゃないのか?強弱でいえば「弱」ぐらいじゃないのか?』と思い込んでいました。もっと言えば、年を重ねて、知識も増えればリカバリーできるものだと、当時はたかをくくっていました。
 
特に小学生までの上の子は、私達にとって、童話「うさぎとかめ」のうさぎに見えていました。
 
勉強も運動もお稽古事も出だしがいいのです。褒めてくださる先生も多かったです。だからこそ、私は、先生などに褒めてもらえたものの中で、上の子が夢中になれると感じたことはどんどん伸ばして欲しいなと思っていました。が、勉強、スポーツ、習い事、どれもこれも自主的に動くことはなく、上の子なりにがんばっているのでしょうけれど、いつのまにか、やらされている感が漂ってしまうのでした。
 
で、コミュニケーションの苦手さなどもあって、妻が成長して欲しいと願っている事、私が成長して欲しいと願っている事において「叱る」が「怒る」に変貌していくのでした。そして、私は、上の子に対してカサンドラっぽい対応になっていくようになるのでした。
 
ちなみに、カサンドラ症候群とは、家族や身近な人にASDなどがあることでコミュニケーションを築くことが難しく、心身の不調が生じている状態のことをいいます。
 
まだ、「受動型ASD」のことも「カサンドラ症候群」のことも知らなかったので、ただただ、私の性格に問題があるのだと思っていました。それが前回も書いた、⓵更年期障害なのではないか?⓶父の介護の手伝いと子供2人の育児が重なり心身面に負担がかかっているのではないか?⓷勉強に関して妻の価値観で叱っているから、感情コントロールが難しくなっているのではないか?の3つです。
 
私は、自分を疑い、臨床心理士の先生のいる心理カウンセリングルームが近所にあったので、顔を出してみる事にしました。完全予約制で60分5千円。私は先生の質問をもとに自分の今の心理状態を細かく説明しました。結果、先生には、「医療を受ける必要は全くない」「溜め込むタイプ。吐き出すことが必要だった」というようなことだけを言われ、気持ちがやわらぎました。
 
親御さんで、第三者目線のアドバイスが欲しい人、自分の胸の内を聞いてもらいたい人は、心理カウンセリング、頭がスッキリするのでオススメです。海外の人がメンタルケアとして、気軽に利用している人が多いというのも腑に落ちました。
 
この心理カウンセリングを経て、「叱る」時に俯瞰力も付き、下の子を「叱る」ことはあっても「怒る」事はほぼないことに気付いたのです。上の子の場合、情緒的な関係を築くのが難しく、反省しているのかわからず、叱る時間が長引くのだと。
 
そして、上の子も下の子も心療内科へ通うようになり「ADHD」と診断を受けて、より勉強するようになりました。その中で、上の子のコミュニケーションの苦手さが気になり「ASD」の診断をしてもらうと、「障害と断定はできないが傾向がある」と言われました。
 
けれども、まだ「ASD」だけでは、上の子の内面を理解するには、どこか物足りない時期が続きました。ただ、「叱る」ことはあっても「怒る」ことはほぼなくなり、カサンドラっぽい状態は治っていました。(1か月だけ。漢方薬「黄連解毒湯」を飲んだこともありました。これも試して良かったです)
 
で、ある時、枝ちゃんねる、さなえ様の動画『ASD(受動型)の私の苦手な事』と『夫がカサンドラになった話』を観たとき、上の子の特性と似ていると思ったのです。「従順で大人しい」「自分の気持ちを言語化することが苦手」「興味関心がないことは努力することができない」など。上の子にも観てもらうと、「この気持ちわかる」と。そう、「受動型ASD」と言う事を知り、今まで「叱る」が「怒る」に変貌していたことを平謝りするのでした。(以降、たまに2人で外出して、上の子が楽しそうに話している時間が、今まで以上に愛おしい時間となりました)
 
と、ここまで前回と重複する事も多々ありましたが、私と同じような悩みのある親御さんへ向けて書いているので、私と上の子が「受動型ASD」と気づくまでの時系列を書かせてもらいました。
 
というわけで、ASDにはタイプがあることを最後に載せておきます。
 
⓵受動型ASD
周囲に流されやすく、過剰に適応しようとする傾向がある。
「一見、おとなしく気づかれにくい」というのが特徴とのこと。
 
⓶積極奇異型ASD
他者との交流を積極的に求めるタイプ。
自分から話しかけたり、関わりを持とうとする傾向がある。
 
⓷孤立型ASD
自分の世界だけで生きる傾向があるタイプ。
雑談が特に苦手というところがあり、基本的には一人での生活を好む。
 
⓸尊大型ASD
こだわりを強く押し付けたり、相手を見下すことが非常に目立つタイプ。
ASDがもとにあって、そこに「自己愛性パーソナリティ障害」がある状態とのこと。
非常にトラブルが多く、対策が難しい。
 
⓹大仰型ASD
様々な相手に対し丁寧になる傾向があるタイプ。
一種の「過剰適応」な面があり、ストレスやうつ等の精神不調になることも。
 
と、5タイプ載せましたが、詳しいことは、本やYOUTUBE等で、深掘りしてみてください。そして、知識が少し身についた状態で、かかりつけ医に質問してみると、モヤモヤしていた気持ちが軽くなるかと思います。(親が冷静でいる。子供達から教わることがいっぱいあります。本当に有り難う)
 

 

 
※二次障害とは、うつ病、不登校、引きこもり、対人恐怖症、暴言・暴力など行動面の問題、頭痛、食欲不振、不眠など身体的な不調のようなものが挙げられます。また、自分の性格(特性)に合わない環境で過ごすことで発症しやすく、長期間、二次障害の状態が続くと社会復帰が困難になることもあります。
 


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