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ダウンジャケットはアヒル?鴨?グース。北京ダックは?言葉が持つ力(素敵なリーダーになりたい編_v4-55)

会社でコーヒー飲んでたら、「ボクさん、ボクさん、ユニクロのダウンジャケット、何のダウンか知っていますか?」と近くに来たスアちゃんが質問してきた。んん、ユニクロのダウンが何のダウンか?

「えーっと、ダウンだから、グースか、ダックだけど、ユニクロで安いから、そりゃダックでしょ。ダックが鴨かアヒルかはわからないけど。でも、たぶんアヒル!。そっちの方が中国の量産で作りやすいはずだから。北京ダックの残りの毛を使うとか?」

「え、アヒルもあるんですか?」

「え、アヒルもあるでしょ。ダックなんだもの。」

「え、ダックはアヒルですっけ。あ、そっか。」

「だって、ドナルド・ダックはアヒルさんでしょ。」

「あ、たしかに。そっか、アヒルなのかな。」

「で、どうしたの。ユニクロがアヒルか鴨かが、なんかあるの?」

「いえ、昨日、友達が面白いこと言っていて、その話をしたかっただけなんです。ユニクロのダウンジャケットを洗濯したんですって。もう5月だし、さすがに着ないよな、ってことで。で、その子、鼻が良いのですよ。とても。で、洗濯して、干してたら、あれ、変な臭いがする。何だと思って、くんくんしていたら「鴨のロースト」の臭いがしたんですって。

「だから、あぁああ、このダウンジャケットは鴨なんだぁー、って思ったらしく、ついでに鴨も食べたいーって思ったらしく、で、昨晩、その子とごはんすることにしていたら、そんなことが最近あったから、ネタですよね、鴨食べよーってなったんです。でも、鴨たべよーって、言われても鴨なんて食べるとこないですよね? 蕎麦屋で鴨南蛮みたいな。で、女子二人で蕎麦屋もなぁ、ってことで、鴨もあるんじゃない、と言うことで、焼き鳥にする?となったけど、えええ、服が臭くなるー、ということで、普通の居酒屋に行きました。」

「あ、、、そうなのね。。。よかったね。おいしかったのかな。」

「で、ダックは鴨とアヒルがあるのですか?」

「検索したら出てくると思うけど、ダックはアヒルも鴨も両方を意味しているよ。確かになんでだろうね。でも、英語だと同じね。というか日本語でも、鴨というときには、カモも、アヒルもありえるけど、一般的に、鴨はカモで、アヒルはアヒルというよね。コートやジャケットの「ダウン」のときだけ、確かに困るね。」

「カモは鴨とアヒルなんですかぁ・・・」

「ディズニーのドナルド・ダックのもとになった白いあの鳥はアヒルで、もう少し小さくて緑や茶色の羽の色がある鴨も、総称して”カモ”なんだよ。確かにカモと鴨がいっしょで紛らわしいけど。」

「ちなみに、北京ダックは、鴨?カモ?だと思っていたのですけど、アヒルってこともあるのかしら。。。なんか、イメージですけど、アヒルの方がかわいそうな気もしつつ、美味しく無い気がします。北京アヒルでなくて良かったです。でも、アヒルだとしたらなんか味が変わりそう。。。」

「あぁ、確かにね、不思議だね。なんかアヒルを食べているって、確かに想像していなかったけど、アヒルだとなんかかわいそうな気もするし、美味しく無い気がするね。もしかしたら、まさにダウンジャケットのように、高いとグース、安いとダックのように、北京ダックも高いと鴨、安いとアヒルなのかもね。ま、年に1回食べるかどうかで、もはや味の記憶無いけどね。。。」

「なんだか勉強になりましたぁー。でも、ダウンジャケットて自分で洗うのですね。いつもクリーニングです。」

「クリーニング屋さんは鴨が食べたくなっているかもね。か、その臭いばかりで嫌になるかもね。ちなみに、グースは草を食べるから動物臭があまりしないんだって。だから、グースが値段が高いのだよ。魚食べたり、ネズミ食べたり、虫食べたり、雑食で肉を食べるから鴨やアヒルの”ダック”は動物臭が強くなるんだって。布団買うときに布団屋さんに教えてもらったのよ。でね、人間も同じなんだってよ。肉たくさん食べる人の方が体臭キツいのだって!!!

「えええ、そうなんですか。肉、私、好きですけど。。。え、もしかして、今、臭いですか?そうなんですか?」

「あ、いえ、ごめん、そういう意味ではなくて。ぜんぜんです。。。って、そこまで接近しないからわからないよ。たぶん男性のおじさんのことじゃないかな? それにボクは鼻、悪いんです。ま、ある意味、満員電車とか便利ですけど、ガス漏れとかあったら死んじゃうかも。」

「うーん、勉強になります。しかし北京ダックがアヒルだとなんか損した気分というか、嫌ですね。では、またぁー。」と言って、去って行きました。

おもしろいです。大した話ではないのですが、何も考えずに馴染みあることを実は詳しく知らない。そして、事実を知ったら、なんだか、今までと違う印象を持ってしまう。人間が聞く「言葉」の意味・定義から脳や五感の一部が自然にコントロールされてしまう。

北京ダックが、確かにダックなんだけど、アヒルとは思っていなかった自分がいて、アヒルだとなんだが食べたくなくなる。美味しくなくなる。

高級ワイン、シャトーXXX。20年前の当り年。相当高いよ、と言われるとなんだか美味しくなる。

「箱根 民宿あいうえお」よりも「HAKONE スパ&リゾート AIUEO」の方がなんだかおしゃれな、上質な、お金を高く払ってもいいホテルのように思う。もちろん中味も重要だけど。

そんなもんです、人間。

だから、職場の人間関係も、自分も、相手もそういうものだと思って、接する必要があります。リーダーになると、部下に”間違った”コミュニケーションをしがちです。相手が、理性的で、合理的で、ロジカルであると無意識な前提に立ってしまう。このボタンを押せば相手はこうなるはずだ、みたいな志向。でも、気をつけないと「報復」に会います。

ちょっとした一瞬の出来事で、嫌われちゃいます。北京ダックのように。ま、嫌われても行動してくれ、成果を出してくれるならいいですが、人間、そうならないものですので。。逆に、ちょっとしたことの積み重ねで、好きになってもらえます。

リーダーの発する「言葉」の注意点 5つ
1.言葉は行動と雰囲気との常時一致を求める(一致性):
誉めるも、指導するときも、使う言葉だけではなく、身振り手振り、雰囲気も一致しないと、伝わりません。なんだよ、全然誉められた気がしないよな。やる気しなーい、みたいな、ありがち。
2.言葉足らずの回避。非効率に常に勝る充分な説明(量): 
肉食べるひとが臭いと言った一般論が、相手は自分が臭いの?って指摘されたと思う、みたいな。1.とも絡むけど、相手がどう思うかの自由はこちらは制御できません。充分な説明と、行動、雰囲気で、総合判断してもらう。
3.相手によって変わらない言葉(一貫性):
陰で悪口、相手によって言うこと変えるは回避。必ず社内では結局バレるもの。映画のように、嘘がバレずに、あるいは嘘を事実に昇華させ巧みに人を操るなんてこと、現実では期待薄です。
4.品があり、フレンドリーで、威厳のある言葉(質):
自分らしくではありますが、リーダーなのですから、品と威厳と、ただ、近づきやすいフレンドリーさの、巧みなミックス、あるいは臨機応変な機会をわきまえた言葉使いが必要です。普段から、勉強しないとですね。
5.一度で事足りず・適切な自分らしい言葉を繰り返す(頻度):
一度言ったから、相手は全てを理解し、行動する、なんてことはありえない。繰り返し、繰り返し、メッセージを言葉に乗せて伝える。しつこくしくこく。もうわかったよーと言われて、やっと充分。

「素敵なリーダー」:上記のような、言葉の、量と、質と、一貫性と、頻度と、言葉を発する自分の身体を、巧みに、そして、注意深く使うリーダー。言葉を通じて、主に人間はコミュニケーションするのですから。母国語を普通にしゃべれるように育って行きますが、「言葉」の大切さを肝に銘じて欲しいです。仲間がそのリーダーの「言葉」で、考え、動き、結果をもたらす、のですから。

こんな素敵なリーダーになりたいですね。

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