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恐怖政治が家畜社員を生み、家畜社員が恐怖政治を生むデススパイラル

学生時代に「動物農場」(ジョージ・オーウェル著)を読んだ。スターリンの全体主義を痛烈批判した内容。吐き気がするほど気持ち悪かったぁ!!!

農場の家畜化された動物たちが一致団結し、恐怖政治をする農場主を追い払い理想的な動物たちの支え合いの共和国を創ろうとする。

が、指導的立場となったブタが独裁化に腐っていく。ウソをつき、仲間を労働させ、ブタたちは楽な生活をする。権力を持つとあっという間に恐怖政治へ変貌。他の動物は何かおかしいと思いながらも言いくるめられ、犠牲になっていく。最後にはブタが人間に見えてきて元の木阿弥。そんな話。

大人になってからは、時に会社経営者にそれを見た。

・権力を持つと腐る
・経営者は独裁化する、恐怖政治をする
・日本は民主主義なのに今なお残る全体主義

ところで:
人類は、偶然ならび必然に、家畜化を進めてきたそうです。
アフリカで人類と共存しておらず、だから人類を恐れないユーラシア大陸にいた、草食で、成長が早く、子供をたくさん産み、群れをなし、獰猛さや逆に臆病さが無い動物を。牛、豚、馬、犬、羊、やぎ、ラクダ。。。

例えば、自然環境では人間になつくはずの無いキツネを、まるで犬のように家畜化させることができるのです。キツネを捕まえ、相対的に人なつっこいキツネを選び、交尾させ、その子供の中からもより人なつっこいキツネを選び交尾させ、これを繰り返す。すると、30世代には約80%が、まるで犬のような、向こうから人間を恋しく思い、くんくんしてくる、まさに家畜化された、愛したくなるキャラになる、という。

「ブルー・プリント」(ニコラス・クリスタキス著、鬼澤 忍他訳、ニューズピックス)という本に書いてあった。ここから動物農場、経営、リーダーに発想が飛んだのでした。

このキツネの話、まさに人類が過去1万年ほど前から牛、豚、馬、犬、羊、やぎ、などの家畜化を成功させてきた過程の短縮版。これが偶然と必然で繰り返されてきた。偶然に出会った人懐っこい動物。そこからより人懐っこい個体が選ばれるのは必然。そうでない個体は逃げるか、殺されるか、すぐに食べられる。必然的に子孫が残せない。だから、偶然と必然。

会社も同じ。偶然と必然。リーダーが、最初は偶然に社員を採用するも、リーダーの全体主義・恐怖政治が、受け入れられる社員のみが必然的に留まる。新たな採用・面接もその社員たちがするので、自分らに似た人物が必然的に採用されていく。

嫌なひと・耐えられないひとは会社を辞めていく。気にしない性格で耐えられるひとが残る。会社に何も期待していないひともいるだろうし、今の時代、転職はラクチンだが、それでも一定の不安があるので、留まる選択をする保守的なひともいる。これらが残る。

ということで、まるでキツネが家畜化されるように、恐怖政治を受け入れられる社員だけに絞られる。だんだん似たような社員ばかりになる。ブタの態度・指示におかしいなぁと思いながらも、言いくるめられ、従う。そんな。

換言すると、指示待ちで、指示が来たらに猪突猛進に動く、あるいはルーティンのみを実施する、管理されるのが楽なひとの集団になりがち。結果、リーダーは、うちの社員はダメだ。指示待ちだ、言ったことすらできない、と批判しがち。で、怒り、怒鳴る。怒り・怒鳴ると一時は改善されるから、ある意味、気持ちいい。恐怖政治が続く。

もちろんリーダーは自制しない。自分は間違っていない、と思うから。だって、たくさんの牛や羊が周りにいてくれるじゃないか。たまに逃げ出すのもいるが、だいたいが従順で言うことは聞く。自己犠牲してくれる。出来が悪くてイライラするが、まぁ、お金(利益)は入る。それは自分のもの。社員には餌と水を一定レベルで与えていればいい。そんなだ。

大会社はまだ良い。色んな制御が働く。でも日本では大企業の割合は1%未満。99%が中小零細。どうしたらいいのか。。。

どうしたらいいのか?
どうにかすべきことなのか?

ボクは、こういうのはどうも違うと思う。。。

部下が家畜化から自発的に脱却するのはありだけど、一人で立ちむかっても効果は薄く、結局辞める。それに、転職先も似たような動物農場だったら意味がない。

やっぱりリーダーが自分から気づいて欲しい。。。否が応でも、必然的に腐るのだから、会社権力とはそういうものなのだから。人間弱いものなのだ。気を付けないと。。。

会社とは?  経営とは?  リーダーとは?

をまずは正しく認識して、自分の襟を正したい。会社は、リーダーを必然的に”暴力的”にする。だから、非暴力側に意図的に自らを振って、やっとバランスが取れる、と思うのです。概念的ですけどね。会社って、経営って、リーダーって何ですかね。。。

職場を良質にするコンセプトv6_45
最後まで読んで頂き、ありがとうございます。



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