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会社は、全体主義・独裁的(=ブタさん)に容易に陥る? どうすれば?

会社なる不思議な存在は、民主主義の日本にあっても、未だに、というのか、その特性からどうしても、というのか、全体主義、独裁的、主従・強制関係になりがち。

「ノルマ」というロシア語(共産体制から課せられる「目標数値・労働基準量」)が普通にはびこるように。。。

だから、リーダーは気をつけないといけない。容易に「裸の王様」になる。「動物農場」(ジョージ・オーウェル著)の、「みんなのため!」って言いながら権力を握ると独裁丸出しの正に「ブタ」になる。

でも、利益は出ているし、社員は(離職率は高いけど)いてくれるし、言うことを聞く腹心もいる。だから、自分は素敵なリーダーね、と自己評価、現状満足となる。なかなか客観視できないものですね。。。

リーダーは幸せ、一部の部下も幸せ。でも、多くの部下はどうだろう。。。そしてこんな状態でモノ・サービスが提供されて、社会は総じて幸せなのかしら。。。

ふと、こんなことを思ったのでした。パラパラしていた「自由からの逃走」(エーリッヒ・フロム著、日高 六郎訳、東京創元社)の熱い言葉を読んでいたら。。。

これは1940年代の本。でも、現代の会社経営に当てはまります。内容は心理学者(哲学者)のフロムが、主になぜヒトラーに、ナチ思想に、当時のドイツ中が、特に多くの若者が魅力を感じ信奉したかの原因を心理的に分析したものです。

自由や責任、自立、自発性などリーダーにとって重要なキーワードについても考えさせられます。

われわれは~、われわれの思想や感情を自由に表現できることを誇りとしている。そしてわれわれはこの自由こそ、ほとんど自動的にわれわれの個性を保証するものであると考えている。しかし思想を表現する権利は、われわれが自分の思想をもつことができるばあいにおいてだけ意味がある。

「自由からの逃走」(エーリッヒ・フロム著、日高 六郎訳、東京創元社)

新しい職~よりよき自動車~旅行~、これらはいったいなにごとであろうか。それはどんな役にたつのだろうか。これらすべてのことをのぞんでいるのは、本当に私であろうか。~。これらの疑問は、~人間の全活動をささえる土台そのもの、すなわち欲するものについての知識を問うている~。したがってひとびとはできるだけ早く、これらのわずらわしい考えから逃れようとする。そして自分自身のものと思い込んでいる目標を追っていく。~、われわれはレディメイドの目標をあたかも自分の目標と考える~。

同上

観念的哲学者は、~、人間のパースナリティを分割することを主張し、人間の本性が、理性によって、抑えられ導かれるようにしようとした。しかしこの分割の結果、人間の感情生活ばかりでなく知的な能力もかたわになった。理性はその囚人である人間性を監視する看守となることによって、自分自身が囚人となった。そして人間のパースナリティの両面、すなわち理性と感情はともにかたわとなった。

同上

小さな子どもたちは自発性の~例である。子どもたちは本当に自分のものを感じ、考える能力を持っている。~。もし大部分のひとを引きつける子どもの魅力がなんであるか問うならば、~、私はまさにこの自発性にちがいないと思う。~。子どもにせよ芸術家にせよ、~この自発性ほど、魅惑的説得的なものはない。

同上

自分自身でないことほど、恥ずべきことはなく、自分自身でものを考え、感じ、話すことほど、誇りと幸福をあたえるものはない。このことはまた、活動そのもの、すなわち過程がたいせつで、結果がたいせつではないということを意味する。われわれの文化にあっては、まさにその逆が強調されている。

同上


会社が、「目標設定」を巧みに押しつけ(ノルマという言葉を進化・美化させて)、それを個々の自発的な意思だと見せかけ、個性豊かでカラフルな色鮮やかなすばらしいものとして、強制・服従させている。「目標設定」という冠でうまく独裁的・主従的要素をカモフラージュ。


会社とはロジカルな世界・感情は不要、なんて思想が強制される。家を出たら、仮面をかぶって、違う自分を演じ、ロジカル風・会社員とはを装う。好きな自分自身の状態ではない。理性的であれ、と言われ、感情的になれず、素直になれない、素直になることにリスクを感じ、ストレスたくさん。

そして「過程も大切」とうそぶくが、結局は「結果重視」。自発的に動いて評価される結果なら問題ないが、散々な結果なら大変。信賞必罰。自発性が失われる。ルールに従い、冒険せず、無難に、落ち着く。

リーダーになると、立場が変わると、容易にブタ(独裁者)になる。注意しないと。社員の犠牲の上に利益を出している現実が見えなくなる。まずはこの会社の魔力・特性を肝に銘じる。そして、自分はそうしたくないと周知し、内外の監視で気を付ける。そして、こんなじゃなくても、会社は売上・利益を出せるし、皆で成長しながらビジョンに近づけると信じる。そうありたいな、と思うのでした。


(読んで頂きありがとうございます。
(最近出会った素敵な気づきフレーズv7_40)


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