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2023/6/3 今週の米国経済指標まとめ

⭕ 今週の米国経済指標、ISM製造業景況感指数、米国雇用統計について簡単にまとめてみました。


① 5月 ISM製造業景況感指数 6/1

✅ 結果 46.9 前回 47.1 先月比-0.2
利上げバイアス ⤵

⭕ 総合は46.9と-0.2ポイントで7か月連続で50を切る。新規受注42.6と縮小、仕入価格は一気に-9.0ポイントの44.2と一年ぶりの低下で製造業は活動縮小を継続。

⭕ 米国のインフレを下支えしているのはサービス業への支出で、企業は売上に対して在庫調整を縮小している状態です。

出典元 Institute for Supply Management: ISM

② 5月 米国雇用統計 6/2

✅ 非農業部門雇用者数 +339,000人(予想+195,000人)
✅ 失業率 3.7%(予想3.5%)
✅ 平均時給増減 +4.3%(予想+4.4%)前年同月比

利上げバイアス ➡ (横ばい)

⭕ 労働者数は大幅増加、失業率は大幅上昇と強弱の結果となった事で、FRBパウエル議長が、5月に示唆していた6月FOMCでの政策金利据え置きが一旦の落としどころとなる現実味を帯びてき来ました。

⭕ 女性の労働参加が大幅増えた事、それに伴い解雇者が増えた事で、企業雇用が循環している事がわかります。

⭕ 失業率が大幅上昇したとは言え、依然低水準で米国労働市場は堅調であり、金融引締の長期化の予想は継続される事を考え、米国2年国債の利回りは6/2に4.505%まで回復。


③ 重要経済指標のおさらい 


🟡 4月 消費者物価指数 CPI 5/10
インフレ率(前年比)
総合 結果+4.9% 予想+5.0% (先月+5.0%)
コア 結果+5.5% 予想+5.5% (先月+5.6%)
★ 明確なインフレ鈍化が進み前年比5%を切る 利上げバイアス ⤵


🟡 4月 生産者物価指数 PPI 5/11
生産者物価指数 (前年比)
総合 結果+2.3% 予想+2.4% (先月+2.7%)
コア 結果+3.2% 予想+3.3% (先月+3.4%)
★ 景気後退を織り込み 利上げバイアス ⤵


🟡 4月 小売売上高(前月比)5/16
総合 結果+0.4% 予想+0.8%
★ 消費は安定していることが浮き彫り 利上げバイアス ⤴


🟡 5月 米国総合PMI 5/23 
結果 54.5 前回 53.4 先月比+1.1
★ 中小企業インフレ圧力が再燃。利上げバイアス ⤴⤴


🟡 米国GDP成長率 1-3月期改定値 5/25
結果 1.3% 
前回 2.6% (前期比)
★ 未だプラス成長。利上げバイアス ⤴


🟡 4月 個人消費支出 PCE 5/26
● PCEデフレーター 
 結果 +4.4%  先月 +4.2%
● コアPCEデフレーター(食品とエネ除く)
 結果 +4.7%  先月 +4.6%
★ 個人消費支出がリバウンド上昇! 利上げバイアス ⤴⤴



④ 利上げマップ 6/3

✅ 次回、6/14のFOMCは政策金利現状維持多数に転換。

⭕ 現状維持観測 (5/27 35.8% → 6/3 74.7%)
ISM製造業景況感指数、雇用統計の発表により市場はインフレ鈍化と判断し、観測が反転する。

出典元 CMEのFedWatch ツール

⑤ まとめ

⭕ 6/14開催の米連邦公開市場委員会(FOMC)、政策金利据え置き観測が74.7%と反転(先週は追加利上げ64.2%)

⭕ ISM製造業景況感指数、雇用統計の発表が、概ね市場予想より下回った事を受け、FRBの次回FOMCによる一旦の利上げ休止観測が強まった。
 
 
最終的には、FOMC直前6/13消費者物価指数の結果がFRBにとって「思わしいもの」であれば利上げ一旦据え置きとなりそうです。

 しかし、7月の利上げ観測は大きく残されています。

⭕ 米債務上限問題も解決、雇用統計は発表の今週最終日には米国国債利回りは上昇、円売りドル買いが先行しドル円相場は140円前後に安定。

⭕ 米国株式は3指数とも、一時続落しましたが「利上げ一時停止」観測によるものか、最終日に大きく戻し、週間で約2%上昇。
 
 債券利回りも株価も同時に上昇する状況となりました。


🟡 今週の米国株主要3指数(前週比)

NYDOW 33,762 +2.02%
NASDAQ 13,240 +2.04%
S&P500 4,282 +1.83%


🟡 来週の米国経済指標

6/5 5月 ISM非製造業景況感指数



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