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映画『岸辺露伴、ルーヴルへ行く』レビュー〜素晴らしいアートムービー

少年マンガ『ジョジョの奇妙な冒険』と聞けばゴリゴリのエンタメ感満載のコンテンツを想像するだろう。しかも、岸辺露伴が出てくる5部は特に他の作品よりもその傾向が、強くほのぼのした王道少年マンガ系譜不良漫画の側面がある。しかし、スピンオフの『岸辺露伴は動かない』からインスパイアされたNHKドラマシリーズはよりホラーとミステリー要素と伏瀬が洗練されていた。そのNHKドラマシリーズから出てきた映画タイトル『岸辺露伴、ルーヴルへ行く』は純粋謎解きエンターテイメントと予想したが、その予想は全然違う方向に向いていた。

もちろん、ホラーミステリーの要素は変わらないが、この作品、特筆すべきは映像美だ。
アベンジャーズで、あるいは他のアメリカ映画で演出としてルーヴルが出ても、こう美術作品や宮殿の美しさはフィーチャーされない。
しかし、この作品は美への追求が映像の中でなされる。さすがNHK。民放ドラマの映画版ではできない交渉力、政治力、またキュレーション力と背景知識、教養、スタッフの技術。
いずれをもってしても近年の邦画では稀に見る傑作だ!
アートムービー、いや、ウディ・アレンやフランス映画が単に好きな人にもおすすめの作品である。

劇場でもらったポスカ

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