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本当の世代交代 その②

前回までのあらすじ:
退院すると大暴れした親父。大暴れした結果、希望通り退院となった。

病院に大迷惑をかけ、退院した親父は、その結果、数ヶ月ぶりに我が家に帰ることができた。

子どもや孫に囲まれての数年ぶりの家族団らん。
コロナでずっと会うことができなかった、離れて暮らす子どもや孫達に会うことができたんだ。

あのときは、ほんの一瞬だけコロナが下火になったんだよな。
今思えばすごいタイミングだった。

そして、食べたかったすき焼きを食べることができたのも偶然。

偶然がいくつも重なった。本当に奇跡だったよ、あのときは。。

しかし、楽しい日々は最後までは続かなかった。

親父はもう退院したから、薬は飲まないという。
一人で暮らせるし、車にも乗ると言うんだ。

いやいや、それは無理だろう。

運転免許も返納しなければならない。
事故になっては困るからだ。

それを伝えると、親父は再びヒートアップ。
が、俺たちは親父の説得を続けた。
だけど、親父は全く耳を貸さなかった。

仕方がない。
そんな親父を、今後、どうやって介護していくべきか。
行けるところまで行くしかない。
それが結論だった。

その傍らで、俺は、親父が薬を飲まないのはヤバイじゃないか、と思っていた。薬で身体を持たせていると思ったからだ。

俺の予想は当たってしまった。

それから程なく、案の定、親父はとうとう再び動けなくなってしまったんだ。

それでも親父は強がっていたが、最後は身体が動かないのを認めた。
そして、俺の話を聞いて、再び入院することに。。

そして、それから約20日後、親父は天に召されていった。
コロナの影響で、最後は立ち会うことはできなかった。

しかし、親父が、とんでもない手段で自分の思いを果たしたことから偶然が重なっていったと思うと、親父、最後の最後にやってくれたよなあ、と思う。

俺はここから、親父なしで会社を回していくことになった。


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