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銀行借入れの俺基準

前回までのあらすじ:
事業継承途上かつ過疎地域限定の補助金が使えるとわかった俺。
だが、申請可能ということだけで、実際使えるのはずいぶんあとだった。
補助率も1/3。
言いたいことはたくさんあるが、とにかく申請しよう。

補助金申請に必要なものとして、見積もり、購入・設置予定品の写真は必須だ。

設備費の補助金という意味では、社内のどこを改修するのか、がわかる図面なども提出する必要があった。図面というのは、何かにつけ必要なものだ。

今回の工事は社内全ての部屋と廊下にエアコンを設置するのだから、申請書を書くのも大変だった。

最終的に申請書に補助金額を書き込む。ここが一番楽しいところだな。

申請書の書き方とか、必要書類についてわからないところは、県の担当者にメールで問い合わせた。

何とか作成し無事提出、あとは決定通知を待つ。

・・・・

補助金の額は1/3。
ということは、残りの2/3は自腹だ。

この残り2/3をどうするか?手出しするのか、借入れるのか。

親父は、地元A銀行に貯金しながら資金も借りる、というやり方でこの巨大な社屋を建てた。貯金もするが借入れもするというやり方だ。
そして、この地元A銀行とのみ取引していた。

貯めてくれていたおかげで、会社に貯金はあった。
しかし同時に、この巨大社屋の借入の支払いも続いていた。

支払い額も巨大で、終わるのはまだまだ先。
なんで俺が帰るまでに終わらせてといてくれなかったんだよ。

不満はあるが、今は残りの2/3のことを考えよう。

俺は、銀行から借りることに決め、相見積もりをとることにした。

というのも、親父が付き合っている地元A銀行は、このところ何の連絡もしてこない。担当者が変わったときには挨拶に来るが、不思議なことに、その担当者が数週間から1ヶ月で交代する。最もひどいのは1週間で交代ってのがあった。

そんな話聞いたことがない。
だから俺は、このA銀行に対してあまり良いイメージがない。

俺は担当者にはっきり伝えていた。
普段連絡をとってくれないと、こちらも付き合おうとういう気持ちにはなれないよ、って。

そんな中、1年ほど前から、地元B銀行の支店長が頻繁に来るようになっていた。B銀行とは法人としての取引は一切していないから、新規開拓を狙っての営業活動だ。

初めて会った時の支店長は、とても銀行員には見えない風貌。支店長ってこの人が?という雰囲気だった。

ある意味、見た目で見下していたということになる。

しかし、実際に話してみると、しつこくないけど諦めない、常に冷静に話ができる、物腰は穏やか。そして、偉そうぶってない。

確かに銀行員には見えないけど、営業マンとしてはどこに行っても成功するんじゃないだろうか、という支店長だった。
あくまでも俺目線だが、、。

見た目で判断した自分を悔やんだな、あのときは。

B銀行はその後も新たな支店長がちょこちょこ面談に来るようになっていたから、俺は迷わず、A銀行、B銀行から相見積もりをとることにした。

相見積もりをとることは、親父も賛成していた。
何せ、最近連絡をしてこないA銀行だったからな。

・・・・

そして、ついに、見積もりが両銀行から出た。

A銀行は、ほどほどの金利を見積もってきた。
一方、B銀行は可能な限り金利を下げた見積もりを出してきたんだ。

俺は、B銀行を選びたかった。
A銀行はメインバンクではあるが、元々付き合っていたのは親父だし、以前は違ったかもしれないが、俺が付き合うには大きすぎる銀行だと感じたからだ。

少しドキドキしたが、A銀行に断りの連絡を入れた。

すると、A銀行は金利を下げるから考えてくれと言う。
B銀行より低い金利を導き出して最終的にメインバンクのA銀行で借入れする、というのが王道なんだろうが、俺は、最終的にB銀行を選んだ。

後日談だが、あのときのB銀行の支店長、現在は常務になっているそうだ。

やっぱりなあ、と思った俺だった。

つづく






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