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Dr.Kの転職 ー年俸の相場はあるー

医師のキャリアは、
医師の数だけあります。

私どもが掲載していた
医師募集求人にお問い合わせ頂いたのが
Dr.Kでした。


■    Dr.Kの転職希望

引っ越しを伴う
常勤での転職を希望。

Dr.Kの科目ですが、
所謂マイナーな診療科。

マイナーな診療科でも
クリニック分院長の募集等で
医師募集求人を見かける科目。

クリニックでのご勤務を
ご希望なのかな?と思いつつ
お話を伺っていると、
病院での勤務をご希望。

外来・病棟コンサル等も
対応可とのこと。

きっとDr.Kの
ご希望に沿う転職先はあるだろうと
思ってお話を伺っていったところ、
希望年俸を聞いて、
久々に驚いてしまいました(=_=)。。。

■    Dr.Kの経歴

地方大学を卒業。

外科系の医局に所属し、
退局するまでの間は、
救急救命センター等で
研鑽されています。

ご自身の科目の
専門医を取得。

医局退局と同時に、
民間病院に転職。

転職した先では、
現在のマイナー診療科に
転科されています。

なぜ最初の科目から
マイナー診療科に転科されたのか?

残業時間が200時間とかになったからと
Dr.Kは仰っておられました。

流石に身体にも心にも異変を感じ、
普通に生活できる診療科に転科。

この転科ですが、
救急救命センターで
その科目の中でも
重症度の高い処を
対応してきたこともあり、
Dr.Kの中では
転科という意識は
あまりない様です。

Dr.Kですが、
マイナー診療科で
既に20年の経験があります。
専門医はお持ちではありません。

■  年俸の相場はある

さて、Dr.Kの転職です。

Drの希望年俸は
長年エージェントとしている私でも
目が飛び出る金額(  Д ) ⊙ ⊙
 
科目によって、
地域によっても、
相場の年俸はあります。

Dr.Kの希望年俸は、
科目の相場も
地域の相場も
大幅に超えている。

Dr.Kには
“こちらでの転職活動で
その金額は難しいかもしれない。。。“
ということを、
正直にお伝えしました。

と同時に、
Dr.Kと同じ診療科で、
専門医をお持ちの医師の年俸も
あわせてお伝えしました。

納得のいかない様子のDr。

まあそりゃそうだと思います。
現在の金額で頂いているのであれば。。。

また私からの質問として、
今回の転職に何を求めているのか?

万が一、
希望年俸より下がった場合は、
転職するのか、転職しないのか。

そして、唯一の専門医を
活かすつもりはあるのか?
Dr.Kのヒアリングをして、
雇用する病院側が聞きたいことは、
医療系人材紹介エージェントをしていればわかります。

Dr.Kが希望年俸を死守したいのであれば、
現在携わっている診療科にプラスして、
専門医取得している科目を
活かす働き方を提案してくるだろうと。

そのとき、Dr.Kは年俸の為に
その要望を受け入れるのか?
受け入れないのか?

転職活動は、
医師が望んでするものですが、
雇用するのは医療機関です。

医療機関の要望を
受け入れられるのか。

引っ越しを伴う転職は、
地域性がガラッと変わることも意味します。

郷に入れば郷に従え的なことも
必要になってきます。

そこがこの転職のポイントになるなと
初回面談で思ったのを覚えています。

さて、皆さん、
Dr.Kの転職は
どうなったと思われますか?

■    WIN-WINの関係か

病床を持つ病院は、
地域住民の医療の砦です。

病院側は、
地域住民の状態を踏まえながら、
自分たちが目指す医療に
貢献してくれる医師を
採用したいと考えています。

医師が転職を考えるとき、
・現在の環境が過酷すぎる為
・給与が下がってもよいので、
 家族との時間、趣味の時間を持てる環境で働きたい
・資格取得可能な環境、高度な技術が学べる環境で働きたい
・現在の自分の技術を活かしつつ、
 待遇面(給与・役職等)がアップする処で働きたい
・職場環境・人間関係が悪い為、
 同じ働くのであれば、今と違う環境で心機一転したい
・家庭の事情で、仕事をセーブしながら、働く必要がある
・その他

一概には云えませんが、
上記の理由は多数の医師が
あげられています。

そして、あたり前なのですが、
病院にも事情があり、
転職する医師に事情があります。

だからこそ、転職活動は、
どちらか一方の想いや考えを
押し付けるだけでは成立しません。

仮に、成立したとしても、
良い関係性は長くは続きません。

お互いが気持ちよく働ける様に
調整するのがエージェントの役割でもあります。

私どもDEPOCは
病院にとっても、
医師にとっても
WIN―WINの関係性を
築ける転職支援をしています。

二度目ですが、
Dr.Kの転職ですが、
どうなったと思われますか?

■    結果

Dr.Kの希望に添える
年俸提示をして下さった
病院はありました。

業務内容も
Dr.Kの希望に近いものでした。

ですが、Dr.Kは
病院面接をお断りになりました。

理由は、思っていた以上に遠いから。

フーっと( ゚Д゚)、
息が漏れたのを覚えています(笑)

病院情報等は逐一報告していたのですが、
実際の距離感がわからなかった様です。

その為に、事前見学と称して、
私は病院訪問をさせて頂いております。

担当者から理事長の考えを聞いて、
Dr.Kに情報共有しました。

そこで、思っていた以上に遠いこと、
これから病院が発展していくのであれば、
自分に負荷がかかる可能性があることを、
Dr.Kがあげられてきました。

今更感がありましたが、
このお話を進めることは出来ません。

病院側に事情を説明し、
面接をキャンセル。

そして、
Dr.Kの転職活動は
保留となっています。

Dr.Kを担当して感じたのは、
引っ越しを伴う転職の場合、
自分が引っ越そうとしている
地域での自分の科目の平均年俸を
知っておかれた方が良いです。

地域によっても、
科目によっても、
専門医の有無によっても、
年俸は左右されます。

特に、
ある程度の年齢になると、
専門医の有無は
病院側が重視します。

その専門医の有無で
書類選考や面接が決まる傾向も
実際にあります。

勿論、専門医の有無に拘らない
医療機関さんもありますが、
拘る医療機関さんの方が
圧倒的に多いのが事実です。

医療系人材紹介エージェントをしていると、
転職は、ご縁とタイミングであることを
身をもって体験します。

Dr.Kについては、
一旦転職保留となりましたが、
求人のアンテナは貼って、
ご希望に添える案件があったら、
ご連絡をすることになっています。

医師の数だけ、
医師のキャリアはあります。

思い通りの転職が出来るかは、
色々なタイミングが重なりあうこと
専門医の有無等も関わってきます。

若い医師の皆さん、
これからのキャリアを考えるのであれば、
是非、専門医の取得をお薦めします。

以上

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業界あるある

医療系人材紹介エージェント。日々、医師や看護師さんとお目にかかり、思うことや、自分がお邪魔して、こちらに人材を紹介したいな~と思う、医療機関さんが募集している人材情報を掲載していきます。あとは、自分の趣味のダイビングのことも書いて参ります。医療系で海好きの人と繋がりたいです。