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教誨

  1. 評価

  2. 著者紹介

  3. あらすじ

  4. 印象に残った所

  5. 感想

  6. こんな人におすすめ

評価

『教誨』 ⭐️⭐️⭐️
著者:柚月裕子
出版社:小学館
発売日:2022年11月25日


著者紹介

子育てが一段落した時に、山形市にて池上冬樹が世話人を務める「小説家になろう講座」(現:山形小説家・ライター講座)の開催を知って、講師を務めるベテランの作家や編集者の話が聞きたいと講座に参加する。一方で地元タウン誌の手伝いで取材原稿を執筆して自分の文章を読んでもらえる喜びを知り、自分が思ったことを表現したいと小説の執筆を開始する。初めて講座に提出した短編で講師の志水辰夫に可能性を指摘されたことで地元・山形新聞社主催の「山新文学賞」への応募を決意し[8]、2007年、「待ち人」が同賞に入選する。この受賞が自信となり、2008年、40歳の時に『臨床真理』で第7回『このミステリーがすごい!』大賞の大賞を受賞し、作家としてデビュー[9][10]

2013年、『検事の本懐』で第15回大藪春彦賞を受賞。2016年、『孤狼の血』シリーズ3部作の第1作『孤狼の血』で4回目のノミネートだった第69回日本推理作家協会賞を受賞[3]。同作品は2018年に映画化され[11]、公開後の5月21日付けオリコン週間文庫ランキングでは同名原作小説が15位から9位にランクアップし、柚月にとって初のトップ10入りを果たした[12]。また、シリーズ第2作『凶犬の眼』をベースとした映画の続編が制作されることが発表されている[13][14]他、『岩手日報』にて2018年2月から2019年1月に連載した『孤狼の血』シリーズ3部作の完結編となる『暴虎の牙』[15]の連載が『夕刊フジ』で2018年10月1日から開始された[16]

あらすじ


女性死刑囚の心に迫る本格的長編犯罪小説!

幼女二人を殺害した女性死刑囚が最期に遺した言葉――
「約束は守ったよ、褒めて」

吉沢香純と母の静江は、遠縁の死刑囚三原響子から身柄引受人に指名され、刑の執行後に東京拘置所で遺骨と遺品を受け取った。響子は十年前、我が子も含む女児二人を殺めたとされた。香純は、響子の遺骨を三原家の墓におさめてもらうため、菩提寺がある青森県相野町を単身訪れる。香純は、響子が最期に遺した言葉の真意を探るため、事件を知る関係者と面会を重ねてゆく。

【編集担当からのおすすめ情報】
ベストセラー『孤狼の血』『慈雨』『盤上の向日葵』に連なる一年ぶりの長編!

「自分の作品のなかで、犯罪というものを一番掘り下げた作品です。執筆中、辛くてなんども書けなくなりました。こんなに苦しかった作品ははじめてです。響子が交わした約束とはなんだったのか、香純と一緒に追いかけてください」
――柚月裕子

印象に残った所

自分の身元引受人を誰にするかは受刑者の自由

知らなかった。
でも、頼まれた人は断れることもできる。

他の親は自分の子供を思う時、どこが頭に浮かぶだろう。多くは顔だと思うが、響子はうなじだった。

確かに顔が1番多いと思うな。
私なら髪の毛かも。ふわふわでかわいいから。

目を見れば、自ずとその人がどのような人間かわかります。

響子は目が静かだった。
私の目は他人から見たらどうなんだろうな。

人に、善人も悪人もない。どちらにも心がある。

生涯、ひとつも過ちを犯さずに過ごせる者など、この世にはいない。

私も小さい過ちを犯した。でも、そこから反省してるから善より悪が勝つことはなかった。
みんな小さい過ちを犯している。

明日、事故で死ぬかもしれないし、百歳まで生きるかもしれない。だから、人は日々、大切に過ごさなければいけない。

明日で終わってしまうかもしれない。だから日々をもっと大切に生きよう。

物事は、違う方向から見れば、意味が変わる。優しさは優柔不断になり、強さは自分勝手に映る。

この通りなんだよな。
それが怖い。

あとになって、あの時ああしていれば、と思っても、盲導にもならないことがあるんだよ。後悔してもずっと苦しい思いをするなら、その時に辛い思いをした方がいい

私も後悔したくないから、思ったらすぐ行動するようにしてる。
たまにやって後悔もすることがあるけど、やらない後悔よりはいい。

目に見えないものにこそ、大事なことが詰まっている

そのことに気づかない。難しい。

感想

今年39冊目。
“教誨“に関する小説2冊目。
まだまだ知らないことばかりだった。
『死にゆく者の祈り』がきっかけに教誨師を知った。

響子が交わした約束が気になって一気読みした。
とてもやるせない話だった。
この話を読んで“毒親“が頭によぎった。
親の呪縛や環境は大きいのかなって思った。
母親の千枝子がもう少し響子のことを考えてくれたら…
親が子に「可哀想」って言わないよ普通。

こんな人におすすめ

・社会派ミステリーが好きな人
・重めのミステリーが好きな人

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