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【メンタル不調の人のための読書室:ゆるっと本のまとめ】「躁鬱大学」~気分の波で悩んでいるのは、あなただけではありません~(著:浜口恭平)(その3~うつ症状のときの対処法)

*双極性障害(双極症)をかかえながらも、大好きな読書から、メンタル不調の方に参考になりそうな書籍を簡単にまとめていきます。ちょっとだけ目を通してもらい、何かのヒントになれば幸いです。

 この書籍は、双極性障害について独自の知見をもっている、精神科医・神田橋修治さんの考えを口述したものをまとめた「神田橋語録」をもとに、著者である浜口さんが双極性障害の人が生きやすくなるにはどうすればいいのかが書かれています。
 なお、この書籍では双極性障害(双極症)を「躁鬱病」、罹患している人を「躁鬱人」と記載してありますので、それに沿って記載していきたいと思います。

その7:鬱のときに「好奇心がない」と嘆く理由
・「その1」から「その6」までで、「鬱状態にならないためにどうすればいいか」を考えてきたけれど我ら躁鬱人の躁鬱の波は止まらず、常に移ろっている。
・躁鬱人は躁状態は素晴らしい、鬱状態は忌避すべきものだと考えている
・しかし、周囲の非躁鬱人にとっては躁状態こそが迷惑なのです
・躁状態では…
 自分を駄目な人間だと思う
 自身がなくなる
 外にでない
 お金の心配をして、お金を使わない
「鬱のときは反省禁止。その反省も躁状態ではすべて忘れてしまい、今後の人生に一切反映されないため、反省するだけソン」
「あなたが嫌だと思っているあなたの状態は、あなたの性格ではないです。すべて、鬱状態の躁鬱人に共通の特徴である」
「鬱状態だから頭の回転が鈍くなるのではなく、ただ興味のないことを頭に入れようと思わないだけだ。むしろ興味があることだけが、頭に入るようになっている」
・鬱状態のとき、皆同じことをいう「好奇心がなく、なんにも興味を持てず、前向きになれない。好きなものもない。自分はどうしようもない駄目な人間だ」
「鬱状態のとき、好奇心がなくなと必ず嘆く。しかし、実は持てるすべての好奇心を『躁鬱人とはなにか?』という問いの探求に注いでしまっているmため、他に充てる十分な好奇心が不足しているだけである」
・多くの躁鬱人は、鬱状態のとき一人で以下の悩みを抱えている
  自分は双極性障害という病気だ
  あまり人には言えない
  自分の性格だし、どうしようもできない
  ずっと悩んで、どうしたらいいのか、こんな自分は死んだほうがましだ
・躁鬱人は鬱状態のとき「自分の躁鬱病についてなにか?」と考え続けている
一つのことに集中しすぎると、窮屈になって鬱になる

その8:心臓と肺だけが、あなたをラクにする
神田橋語録より「不自由な状況に対して、『しっかりしなければ』と耐えていると、躁鬱の波が大きくなります」

神田橋語録より「(躁鬱病は)体質ですから、季節や天候(季節のサイクルや台風など)、お土産や生理、そして人間関係のストレスで悪くなります。特に自分らしさや自分の長所が失われときが要注意です」

躁鬱人であることは体質なので、こころを何とかしようとしてもできないので、身体に目を向ける
・体質を推し量る最適な方法は、心臓と肺
・心臓と肺の動きを調整することによって、心の悩みが治癒する
・体の力を抜くと、まず心臓と肺がらくになる
・横になると心臓がらくになる
・疲れに前もって気が付けば、鬱になる前に平穏になれる

・躁鬱人は自分が活躍できるかもしれない、主役になるかもしれないと思うと、突然鬱が治ります
・躁鬱人は本当はただ主役になりたい、価値なる仕事できるようになりたいみたいなことを考えています

浜口さんは自分の携帯番号を公開しており、朝日新聞でも取り上げられ、その際にも携帯番号が掲載されました。

・筆者は、年間2000人の「いのっちの電話」で相談を受けている
・10年続けているので、2万人の人から「死にたい」と触接電話でやりとりしている
・筆者はある発見をした「どんな人間も悩みは同じである」
・それは、「人は、人からどう見られるかだけを悩んでいる」
 「人類皆、人からどう見られているかということだけを悩みづつけている」
 
例:実際に人からどう見られるか
   両親やパートナーから直接言葉を受けて、人からどう見られるか
   暴力を受けている
「人からどう見られるかを悩む」ことは、人間であることに悩んでいること
それは、ナンセンス。答えがない。繰り返す。解決することがない。
「だって、それが人間だもの」

この悩みを吐き出すところがあるといい
友だちがいればいい

その11:人の意見で行動を変えないこと
神田橋語録より「躁鬱病の人は我慢するのが向きません」
・躁鬱人は、相手の顔色をみて、相手が喜ぶようにしてしまうので、よく我慢する
・我慢すると鬱になる
・周りの観察はできるが、自分の観察が苦手
神田橋語録より「『この道一筋』は身に合いません」
・浜口さんは、何事もこの道一筋にできない自分をいつも責めていた
・一つにできないことで、自分を延々と責めていた
・神田橋語録の言葉により、矯正された目指すべき人間像みたいなものからパッと離れることができた
・躁鬱人は「誰かみたいになる」ということが身体に合っていない
・躁鬱人は浅く広く生きていこう
・浅く広く生きていくことに自信を持とう
神田橋語録より「『我が・まま』で行かないと波が出ます」
「『私さん、私さん、今何がしたいのですか?』と自分の心身に聴いてみながら行動すること」
「自分の生活を狭くしないこと」
・つい人を優先するので、いつも自分に「今、何がしたい?」と聞く
・一か所にいると窒息するので、できるだけ移動しましょう
 もちろん移動すると心臓が疲れるの、よく横になることは忘れずに
・仕事もして、料理もして、家族サービスに明け暮れ、友達と釣りに行き、週末にはバーベキューの準備もして、困っているお年寄りをどんどん助けましょう
感謝の言葉を聞くことが何よりも治療になります
・思いついたことはどんどんやってみましょう
・疲れていたら、昼寝を1時間しましょう
・途中で昼寝を入れることを忘れなければ、なんでもやっていいです

神田橋語録より「あっちふらふら、こっちふらふらがよろしい」
・シャキッとした人、ちゃんとした人になるのはやめましょう
・一流の中途半端な人、器用富豪を目指しましょう
・適当ですけど、雑ですけど、大体の感覚なんでもできます
・飽きたら会社も辞めていい
・躁鬱人は荒野にいるけれど、自分で自分なりの操縦法を見つけて、一人で自立するといい

神田橋語録より
やってみて良くなかったら止めたらよいだけです
生活がひろがるほど波が小さくなります
用心のためと思って、それをしないでじっと我慢をしていると中々良くなりません
一つの事に打ち込まず、幅広く色んなことをするのが良いでしょう

・躁鬱人は「人の意見で行動を変えないこと」
・人の意見を取り入れると窮屈な人生になる

【私の感想】
子育てをしながら、サラリーマンをやっている人にとって、浜口さんのいうような生活をすべてカバーすることは難しいと思います。
子育ては我慢の連続です。
躁鬱人は子育てできないのか?と思ってしまいますし、躁鬱人はサラリーマンにはなれないのか?とも思ってしまいます。
しかし、私は「自分の心地よさ、観察をしっかりする」ことで、子育ても、サラリーマンもできると思いました。
自分のご機嫌がよければ、何でもできるのが躁鬱人ですから。
また、私も色々なことに手を伸ばし、非躁鬱人(普通の友人)などに相談すると、一貫性がない、中途半端などと言われてきました。でも、躁鬱人がそういう人間であるとわかったので、とても気持ちが楽になりました。
今回の内容も「あー、よかった、自分だけじゃないんだ」という気持ちになりました。



   



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