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私の外見と中身は平行線

「入社されてからずっとこの部署なんですか?」

うちの部署に移動してきた方に,そんな不思議な聞き方をされた.会社の制度的にそんなちょこちょこ動くことはないとご存知だろうに.そうですね,まだ3年目ですので.そう返すと相手は大きく目を見開いた.あ,若手に見られていなかったらしい.

昔からそうなのだ.必ずと言っていいくらいに上に見られる.小さい頃はどの瞬間を切り取っても,後ろから数えたほうが早かった.小学校6年にもなると160cmに届いたので,今思えばランドセルとちぐはぐだったんだろうと思う.顔も小さいときからすっとした顔で面長ときた.落ち着いて見える要素しかなかったのだ.

小学生で子供用の切符を買えば止められる.受験する中学の見学に行けば,洋服を着ているのに在校生に間違われる.19歳のときはで31歳に見られて接客を受けるし,就活でグレーのスーツを着た日には社員と間違われて同じ就活生に会釈をされる.

今では笑い話であるけれど,当時はそれなりに悩んだものだ.ちょっとフレッシュさを出したいと,外見だけでも変えてみたけれど,そうしたところで違和感を含んだ,落ち着いた人としか見られなかった.

もうある程度の年齢まで行けば老け顔も若く見られるようになる言うしと月日が経つのも待ってみたが,その結果が冒頭の質問である.もしかして,それってもっと長い時間を要するのかもしれない.そうすると私はいつまで上に見続けられるのだろう.

中身もが伴っていればさほど問題なかったのだろうけど,良く言えばおっとり,悪く言えばぼんやりである.3年経とうとしているのに仕事の覚えも悪く,流れに身を任せふわふわして生きている.しかし相変わらずしっかりして落ち着いているような印象を持たれるので,そんなことはないんです.ポンコツなんですと毎度平謝りである.

この中身と外見が交わるときがくるのだろうか.

そう思いながら,私は鏡の中の自分と作戦会議をするのだ.


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