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「敗者髪切りマッチの大前提」と「31年前の記憶」

敗者髪切りマッチ。

同期のライバルである辻陽太選手と上村優也選手。彼らの闘いは今後も続くと思われますが、ひとまず次の札幌で完全決着を迎えそうです。

髪切り戦をやるのであれば、両者に「髪を失いたくない!」という思いを発信してほしい。大前提です。なぜなら一時的に丸坊主を余儀なくされても、彼らの年齢であればいずれ元に戻るから。マスクマン同士が闘い、敗れた方が素顔になる「マスカラ・コントラ・マスカラ」との決定的な違いです。

だからこそ「いや、そういうことじゃない」「俺が髪を伸ばしていることには意味があるんだ」とアピールし、絶対に負けられないとリスクの高さをファンに認知させる。それをしないとやる意味がないし、勝者と敗者の非情なコントラストも生まれない。

辻選手はわかっています。しかし上村選手は「おまえの髪なんて興味ねえ」とマイク。本音なのかもしれない。でもそこは「俺は2年間、海外でずっと髪を伸ばしてきた。愛着があるんだ。ここで失ったら、また2年間伸ばさないといけない。奪われてたまるか!」みたいな叫びがほしかった。

付け加えると「おまえの髪なんていらねえ(興味ねえ)」の出番は試合前ではない。死闘に勝った後で、敗れた相手に武士の情けとして伝えてこそ胸に響く。93年9月に北斗晶選手が風間ルミ選手に言った時がそうでした。風間選手は敵の情けに甘えず、潔くリング上で丸坊主になった。目に涙を浮かべながら。あの場面はいまでも記憶に焼き付いています。

タイトルマッチをやる前に挑戦者が「ベルトには興味ない」と発言したら「じゃあ出てくるなよ」となりますよね。髪切りマッチも同様です。上村選手には可能性を感じていますが、ちょっと今回は厳しいかも。。。

24日の札幌大会。いい意味で予想を裏切ってくれることを期待します。

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