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「腑に落ちない風習」と「○○○○○の名言」

異議あり。

プロレスは私の人生において最も重要な要素のひとつ。「大事なことをすべて教えてもらった」と言っても大袈裟ではない。本当に感謝しています。

一方で、長く見ているからこそモヤモヤする点、腑に落ちない風習があるのも事実です。「重要な試合の再戦がすぐ組まれがち」もそのひとつ。

年間最大のイベントである東京ドーム大会のメインを飾ったSANADA選手と内藤哲也選手のIWGP世界王座戦は、そんな軽いものではなかったはず。何度でも見たいカードだけど、少し時間を空けてほしい。翌日にリターンマッチ開催がほぼ決まるのはやり過ぎです。

こんなことが続いたら、いま目の前でおこなわれている闘いの結果に一喜一憂するのがバカらしくなる。王座の価値も下がります。「ショーだから勝敗なんてどうでもいいのさ」という冷笑組の思うツボでしょう。

ドームの試合を見る限り、SANADA選手はまだ発展途上。特に気になったのは必殺技デッドフォールを手に入れた代償で、いままではフィニッシュになっていた攻撃がことごとく「繋ぎ技」に転落していること。膝に負担の掛かるラウンディング・ボディープレスを2連発で繰り出しているのに、決まりそうな空気が生じない。これはかなり問題です。

せっかく身軽になったのだし、しばらくはベルトから離れ、じっくり己のレスリングを見つめ直してみては? 頑固に貫いてきたオーソドックスなスタイルを現状のそれと融合させ、業界を支えるに足るだけの太い幹を作り上げてほしい。

見栄えのいい一時的成果に固執せず、目に見えない部分の根っこを着実に伸ばす。目立たぬところでいい仕事を続け、コツコツとファンの信頼を積み上げる。遠回りのようでその方が近道かもしれません。

「夢はでっかく根はふかく」

相田みつをさんの名言をSANADA選手に贈ります。

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