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「防衛増税」と「新鮮な空気」

防衛費増額の財源に関して、鈴木財務相は「工夫や努力をおこない、それでも足りない部分を国民の皆様に税制でお願いしなければならない」と法人税を軸にした増税を示唆しました。

一方、西村経産相は「投資・賃上げへの意欲に水を差すようなことはしないでもらいたいといった趣旨のご意見もあった」と財界首脳の声を紹介しました。

後者に関しては「法人税じゃなければいいの?」と訊ねたい。まあでも苦しい中で賃上げをした経営者が「勘弁してくれ」となるのは理解できます。

「隙あらば増税」みたいなスタンスがどうにも引っ掛かる。消費税はさすがにもう厳しい。ならば法人税。その口実が国防強化。そんな邪推をしたくなります。

まず少子化対策や格差是正の成果を出し、且つ支出のムダを減らすのが先でしょう。それらをやり尽くして、初めて「工夫や努力をおこなった」と言える。そのうえでタックスヘイブンを悪用してきたグローバル企業や富裕層に課税するのがフェアなのでは?

社会保障の財源という名目で消費税を上げ、実際には大企業を優遇するための法人税減税の穴埋めに使っていたのが自民党政権です。また良からぬことにと疑われても仕方ない。法的根拠のない国葬に12.4億円なんてこともありましたし。

そもそも何にどれぐらい使うのかを具体的に明示しないのがおかしい。見積もりを出さずに「この工事には1000万必要」と言い張る悪徳リフォーム業者と変わりません。

どれだけ防衛費を増やしても、いまの状況が続けば他国から攻められる前にこの国は自滅します。「自分の国は自分で守る」のは民主主義国家として当然。しかしこんな杜撰なプランで庶民の生活よりも軍備増強を優先することが公のためになりますか? 私には自民党を守るための増税としか思えません。

なぜ日本だけが不況から抜け出せないのか。トリクルダウンは起こらず、一部の人間だけが儲けた。そこが自公政権の限界でした。

一歩踏み出して「自民党なら安心」「他に選択肢がない」というマスクを外し、新鮮な空気を吸う頃合いではないでしょうか? 

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