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仮面の下の「人間臭さ」に惹かれる

1990年の春先。

テレビ朝日で土曜の16時に放送されていた「ワールド・プロレスリング」を久し振りに視聴しました。塾に通っていたせいで、なかなか見られなかったのです。

スーパー・ストロング・マシン選手が「ブロンド・アウトローズ」という悪党ユニットに加わったと知りました。それまでは同期のジョージ高野選手と「烈風隊」で活動していたはず。つまり相棒を裏切ったのです。

ジョージ選手のインタビューが流れました。当然怒っています。「おいマシン聞いてるかコラッ! おまえのマスクも身体もずたずたにしてやるよ!」

一方、ヒールターンした側のマシン選手のインタビュー。「……おいジョージ、汚い手を使うなよ」「俺のマスク取ってどうするんだ? 俺の正体なんてみんな知ってるじゃないか」

いろいろな意味で衝撃を受けました。まず当時の私は彼の正体を知りませんでした。そして仲間を裏切った悪党が「汚い手を使うなよ」「おまえのそういうところが嫌だったんだよ」と弱々しい口調で話している。

子ども心にも気づきました。「マシンって優しい人なんだな」と。

かつて新日本プロレスは、YOH選手とSHO選手しか新人のいない時代がありました。ふたりが大量の雑用を抱え、パンクしそうになった時に「何とかしてやってくれ」と会社に訴えたのがマシン選手だったとか。

2018年に引退し、いまは息子さんがドラゴンゲートでプロレスラーになっています。しかも「ストロングマシーン・J」というキャラクターで、先代のオリジナルである魔神風車固めを使うそうです。入場曲も「ハリケーンズ・バム」(作曲はあの平沢進さん)の別バージョンでしたっけ?

ライガーさんやエル・デスペラード選手もそうですが、マスクを被っていても素の人間臭さが滲み出てしまうレスラーに昔から惹かれます。新日本初登場、楽しみです!!

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