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キーワードは「あの日、○○○○にできなかったこと」

2022年1月4日。

新日本プロレスの柴田勝頼選手が、急性硬膜下血腫で倒れた2017年4月以来の復帰を果たしました。対戦相手はX。当日を待つまでもなく、LA道場で柴田選手から教わっている成田蓮選手であることは明白でした。

打撃禁止の一戦だったはずが、開始前に柴田選手が通常のプロレスルールへ変更。しかし成田選手が首から上を攻めることはなく、柴田選手がPK(スリーパーホールドで尻餅をつかせた相手の胸板を蹴り抜く技)で勝利しました。

この結果がずっと引っ掛かっています。

4年半欠場していた元・トップ選手と、2年以上海外で修業を積んでいる伸び盛りの若手。どちらが強いかは微妙なシチュエーションです。ただ、ほぼグラウンドの試合で成田選手が負けたのなら「関節技ではまだ柴田の方が上」「でも普通に闘えば」と思うことができました。

しかし成田選手が普通に負けてしまった。「これだと新日本は彼を売り出せないな」と感じたのを覚えています。ルール変更が柴田選手の独断で会社は了承していなかったと知り、なおさらモヤモヤしました。

少し前に、成田選手はレガース(すねを保護する防具)を外しています。蹴りを主体とする師のスタイルから離れる意志の表れ。その時はそれでいいと思いました。そんなしがらみは要らないと。

そして今回のヒールターン。

今後、彼がどういうスタイルになるのかはわかりません。自由に暴れてほしい。セコンドや凶器を使ってもOK。でももし可能であれば「あの日、柴田勝頼にできなかったこと」をリングで実践していただきたい。敵をボコボコに蹴り潰すプロレスを。憎たらしいほどに「強さ」を隠さぬ闘いを。

成田選手、もう誰の目も気にしなくていい。ストロングスタイルとはユニットの名前でも先輩への義理でもない。私はいまでもあなたこそ令和のストロングスタイルであり、新日本プロレスの未来だと信じています。

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