アンマーとぼくら(著:有川浩)

子供っぽい父親と二人の母親と、ぼく“ら”の家族愛の物語。
これは、ぼくの後悔の念なのか、沖縄の御嶽(うたき 祭祀を行う場所)が見せた白昼夢なのか。
“過去のぼくの回想”と“現在のぼくの出来事”が交差して展開する。

はじめのうちは、若干、ん?とわかりづらいところもある。
中盤以降、過去のぼくが、新しいおかあさんと少しずつ家族になっていく過程。現在のぼくが、おかあさんと一緒に亡き父親との思い出の地を巡りながら、過去のわだかまりをほどいていく姿。
どのエピソードも慈愛に満ちていて、あったかくって悲しくって泣けてくる。

親が生きているうちに親孝行しろというのはこういうことかな、と思ったりもする。
でも、主人公のように、大人にならないと素直になれないことって多い。
大人になってはじめて気付くことだってある。

沖縄本島の人気観光スポットやグルメが登場する。
行ったことがある人もない人も想像しながら楽しめるだろう。

お盆休みを前に手に取るにはいい本かもしれない。


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