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とるにたらないこと

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覚書のようなメモのような日記のような、とるにたらないこと
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記事一覧

とりとめのないこと2024/04/20 追憶

俯く寒芍薬──尊厘と儚さを纏う控えめなその姿に見惚れていた。 花言葉は〈追憶〉だそうだ。…

卍丸の本棚
3週間前
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とりとめのないこと2024/03/22

March 22nd is a hugely important day for my wife, daughter, and me. It would come aroun…

卍丸の本棚
1か月前
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とりとめのないこと2024/03/17 成長と格差の岐路に立つ日本社会

成長と格差の岐路に立つ日本社会 バルにてスペイン人の同僚たちと経済や時事の話をしていた…

卍丸の本棚
1か月前
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とりとめのないこと2024/02/24

僕の両親は少し変わっていて、僕が子どもの頃、別居、離婚、紆余曲折の末になぜか再婚した。 …

卍丸の本棚
2か月前
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とりとめのないこと2024/01/25-02/02

 見渡す限り、山々が連なり、氷河の名残とともに牧歌的でのどかな風景が広がる。見通しのつか…

卍丸の本棚
3か月前
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将棋熱が再燃中

学生の頃、学校帰りに、ファースト・フード店で友人らと将棋に夢中になっていた。ここ最近、将…

卍丸の本棚
3か月前
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とりとめのないこと2024/01/17

吐く息は白く、街灯が点々とする夜の中へと消えていく。 夜を見上げると、灯りと灯りのあいだから、星々が小さくところどころに輝いている──マドリードの北の方へ出張でやってきた。バルセロナよりも寒々とし、時折降る雨や雪で出来た水たまりと雪の塊は、夜の光に照らされて、アスファルトの上で滑らかな冷たさを放っていた。 ヘッドホンで聴く親しみ深いはずの遠い島国のニュースはどこかよそよそしくまるで見知らぬ外国のニュースのように思えた。 住んでいなければ、結局、誰かの不条理による現実は、物

とりとめのないこと2023/11/01-11/03

 古くからの都市計画に沿って区画整理された街、バルセロナを一望するかのような教会、サグラ…

卍丸の本棚
6か月前
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とりとめのないこと2023/09/24 夕べに

日曜日。日が暮れ始める頃、妻が一昨年から育てているいちじくにひとりごとを言いながら水をた…

卍丸の本棚
7か月前
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漂泊者

僕のアニエスが唐突に霧の彼方へ行ってしまってから多くの月が昇り太陽が沈んだ。 僕のせいな…

卍丸の本棚
8か月前
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とるにたらないこと2023/08/01

満月の一日手前、さよなら28歳、こんにちは29歳───今年は単身赴任先でひとり誕生日を迎えた…

卍丸の本棚
9か月前
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とりとめのないこと2023/07/10 故郷を想うひと

時々、雨の音が聴きたくなる。風なんて吹いていないんじゃないかと思うほどに湿気がまとわりつ…

卍丸の本棚
10か月前
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とりとめのないこと2023/06/17

倫理観のまったく合わないひとたちと、どう接するか。 答えはおそらく簡単で、接しないこと。 …

卍丸の本棚
10か月前
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とるにたらないこと2023/06/08

「寄り添う、共感」に懐疑的になる。 不幸マウントなんて言葉があるのを知った。何だかな。人の気持ちに寄り添うだとか表面的に心地良い響きを重視すると、身近で起きている間違いを見過ごしてしまう気がする。 傍観無関心モラトリアムの延長線上にあることなのだろうか。 文章というのはそのひとそのものであり、何について問題意識があるのか如実にわかるものでもある。 都合良く、聞こえの良い部分やインパクトに長けた部分だけ、上澄みを掬い流用し、「ひとを笑顔にしたい」だなんてのがもてはやされるお