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吾輩は古本屋である

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吾輩は古本屋である(3)未来を見通すことならず

吾輩は古本屋である(3)未来を見通すことならず

今日も忙しかったので【吾輩は古本屋である】を書きました。実は普通にエッセイ風に書いたところ面白くないと感じたので、急いで小説風に変換しました。ちなみにこの話は今年本当にあった話です。

吾輩は古本屋である。未来を見通すことならず。先日常連T氏が独りで来店し母の逝去を告げられた。店主はいたく驚いた。年末にお目にかかったばかりである。人の生死は如何にもなりようがない。悲嘆に暮れるT氏に店主は慰めの言葉

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吾輩は古本屋である(2)電子決済はない

吾輩は古本屋である(2)電子決済はない

本日も忙しかったので【吾輩は古本屋である】の続きを書きました。見様見真似で古風な文章を書くことは楽しい。ただ、店主は古文の勉強をしたことがないので、ツッコミどころ満載かと思います。それも含めて好意的に読んでいただけたら幸いです。

吾輩は古本屋である。電子決済はまだない。店主は高価なレジスターの購入に後ろ向きである。また狭き店舗に専用機器を据え置くことにもためらいがある。さらにペイペイとやらに支払

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吾輩は古本屋である①

吾輩は古本屋である①

現在本を読む時間がありません。そこで逆にこの環境を利用し、少しずつ創作に挑戦します。まずは夏目漱石をオマージュして【吾輩は古本屋である】を書きました。

吾輩は古本屋である。利益はまだない。柳沢という地に移転して間もなく二年経つ。あの時はコロナ過で図書館が閉まっていた。だから住民に重宝されたことだけは記憶している。店主とは一八年の付き合いだ。彼はここで初めて商店会に入った。

この商店会というのは

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