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「わたしの金子みすゞ」

先週、高校時代の先輩の愚痴を聞くことになりました。母親が亡くなったあと、父親が暴走してしまい、その対応に疲れていると。いやー大変ですね、先輩。と聞き役に徹していると、そのままテニススクールのレッスンの代行を頼まれてしまったので、今日は出かけておりました。

そんなわけで、本日も忙しく一日を終えることに。しかし、少しでも仕事を減らそうと買取した本を調べていると、ちばてつや先生の絵が表紙となっている「わたしの金子みすゞ」が目に留まり、そのまま本を開きました。

この本は、厳選した金子みすゞさんの詩に、ちばてつや先生が挿絵とコメントを加えた詩集です。挿絵があるから詩のイメージが映像化され、さらにコメントが詩の解釈を引き出します。

だから、詩を読むことに慣れていない初心者の人には優しく読めて、詩を嗜む上級者には更なる味わいを感じられる。そんな詩集となっていました。

しかし、実は店主は詩集が苦手。詩の言葉には意味があると思うのですが、その意味に気がつくのが遅いのです。また、解説をなんど読み返しても理解できない作品もある。そしてなにより、言葉のリズムが自分の感覚が合わないと気持ちが悪い。だから、この冴えない頭じゃ詩を理解するのは難しい。そう諦めておりました。

にも関わらず、この詩集は読めました。大好きなちばてつや先生の挿絵が入っているのが店主としては大きかった。閉店時間を過ぎてしまっても、「これなら読める!」と前向きな気持ちで、時間を気にせずじっくりゆっくり読みました。

誰にでも苦手なジャンルの本というのはあると思います。でも、本を手に取り、パラパラとめくっていると、今日の店主のような偶然の出会いがあるかもしれません。そういった意味でも、ぜひ本屋や古本屋をご利用いただけたらと思います。

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